青い森のねぷたいブログ

青い森です。東京の某所で教職についています。教職に関することを主につぶやいていきます。

祭りについて考える2007

 多分この時期になると必ず書いていると思いますが、今年も書きたいと思います。ちょうど今年は陸奥新報で3日に分けて立佞武多の復活・定着・未来について書いていたので。で、これ書いたらちゃんと頑張ります。


 本来、祭りとは「祭祀・祭礼」、神を「まつる」という部分から来ています。年に一度、特定の時期に神様を呼び、無病息災などを祈願する。その呼び込むものが神輿であったり、山車であったりします。そのルーツは定かではありませんが、私個人としては京都がその中心になっていると考えています。


 ねぶた(ねぷた)のルーツも京都であると言われています。江戸藩政期の山車を見ると、京都の山車とよく似たものが現れます。それがいつしか竹と紙で作った灯籠へと変化し、やがて津軽独自の「ねぷた(ねぶた)」を形作っていきました。


 本来祭りとは古くから続く「地域のハレの舞台」であったわけです。しかし、現在の祭りはそれに商業的要素、いわゆる「観光」という要素が強く結びついています。その顕著な例が青森ねぶた祭りです。たった6日間の祭りに300万人を超える人々が押し寄せてきます。青森県の人口が約150万人ですから、たった6日間で県の人口の2倍もの人々が青森市にやってくるわけです。


 それで問題になっているのが、前も述べた通り、観光的要素を押し出しすぎた余り、企業ねぶたが主流となり、町内単位の地域ねぶたはねぶた祭りから追いやられてしまったという現状です。また、企業ねぶたの囃子方はプロであることが求められており、規制がひどい。青森ねぶたは、観光要素を全面に出す余り、地域的要素をないがしろにしてしまった祭りと私は感じています。


 さて五所川原立佞武多にひるかえってみましょう。今年は立佞武多運行ちょうど10年目。今や県を代表する祭りに成長し、観光客も多く押し寄せています。自分が見たのだと「静岡」っていううちわを持っている人がいたなあ。
 しかし、この立佞武多、観光客には非常に優しくない祭りであることは誰が見てもお分かりだと思います。ラッセランドのように期間中に立佞武多を無料開放しているわけでもなく、他の団体のものも、別々の小屋に押し込められている感じで格納。何と言っても中心商店街があまりに空洞であるため、食べる場所・遊ぶ場所・時間を潰す場所がない!バスでエルムまでいかないといけないわけです。
 また、今年も問題となりつつあったカラスハネトの問題。幸い、観光客に危害を加えてはいませんが、「正しい服装を」と宣伝した割には守っている人はあんまりいなかった。下着なんだか水着の上なんだか分からないセクシーなねーちゃんとか普通にいたけどね。


 こうやって見ると、五所川原立佞武多は観光面で大きな課題を抱えていると言っていいでしょう。しかし、「誰でも参加できる」雰囲気と、自らも出たい!という他の高校や町内、団体の心意気だけは消さないようにしてほしい。祭りには「地域の祭り」としての側面と「観光としての祭り」という2つのジレンマを抱えているわけです。


 …3年半前にはこういうことを卒論でやろうかなって思ってたんだけどね。


 一応ここまで書いたからには個人的な立佞武多改善プランを述べると…
 ①立佞武多期間中は立佞武多の館の無料開放or割引。または、3台のうち一台を五所川原駅前の立佞武多小屋に展示。(館の売り上げの問題もあるが、観光客は「立佞武多はどこにあるの?」っていう顔をして歩いているし、駅前にある18mクラスのやつを見て満足している。やはり駅前を積極的に活用すべき)
 
 ②早めに交通規制をかけ、早い段階から立佞武多を外に出しておく。
 ③駅前運行の復活


 こうかな。でも、個人的には今の運行ルートが気に入っているから、ルートはいじらなくてもいいんだけどね。