青い森のねぷたいブログ

青い森です。東京の某所で教職についています。教職に関することを主につぶやいていきます。

金八レビュー第8シリーズ第8話〜I have a dream.〜

 今回の話は、中学校3年生の英語の教科書にはよく載せられている(?)キング牧師のお話でした。自分が中3のときもキング牧師のことはならいました。
 ドラマを見てくれれば分かるとおりキング牧師アメリカの公民権運動に携わった人物です。多民族国家であるアメリカでは、リンカンの頃に代表されるように人種差別がありました。白人が優位でそれ以外の人種は劣位。それは黄色人種たる日本人やアジアの人々も黒人同様差別される対象でした。生活空間は分けられ、トイレだって男・女とっても入れるのは白人だけ、そういう状況だったのです。
 しかしキング牧師はその現状を変えようとした、それが英語の教科書の冒頭に載せられている?I have a dream.?の演説なのです。その翌年、アメリカでは公民権法が成立し、法の上での人種差別が撤廃されることとなったわけです。


 おそらく多くの中学生は(自分も含め)こうした背景を学ばずに英語だけを学んで卒業していったと思います。確かにあの英語の先生のようにこうした公民権運動は社会科(特に世界史)でやればいいという考え方もあります。しかし、国語も含め、文章を味わうということはその背後にある社会を知ることと表裏一体のことだと自分は思います。ま、あんまりやりすぎるのはよくないとは思いますが、そうした背景の理解というのは必要だと自分は思います。


 今や日本の公立校では紋土のように単に人種が違うように見えるだけの人はたくさんいます。しかしクラスにおいてはごくごく少数です。それを棚に上げていじめるということは小学生なら多いのではないでしょうか。これは「日本人とは何か」という問題にも大きく関わってくる問題だとは思いますが、まず大事なのは肌の色が違うことを卑下するのはダメだっていうことを教えることが必要です。そのきっかけはいくらでもあります。今回のキング牧師の話だってそのきっかけとなります。「社会科では人生にまで踏み込んで教えるな。それは道徳だ」というのがうちのゼミの先生の口癖ですが、時と場合によると自分は思います。たまには道徳である社会科も必要だと自分は思うのですがね。