青い森のねぷたいブログ

青い森です。東京の某所で教職についています。教職に関することを主につぶやいていきます。

ニュース

 今日、まのえり握手会に行く前に飛び込んできた中川昭一氏死去のニュース。
 たまたまそのニュースを携帯で見たら、そこのコメントに
 


 「お前らのせいだろ」


 という一言。



 自分もそう思います。



 お前ら=メディア、ってことですね。


 以下、すご〜く長いです。


 高度情報化社会の中で、社会が複雑化している。だからこそ、人々はより単純化したものを好む。いわゆるYES NO
方式、二項対立図式ですね。
 しかし、これは今に限ったことではない。日本の政治も長らく、保守対革新という二項対立でもって政治が語られてきた。
 だが、革新、いわゆる社会主義が崩壊し、二項対立の一方の図式が崩壊した。そして、変わりに図式の中に入ってきたのが、資本主義、ネオリベラリズムの発想である。この資本主義こそがいわゆる新たな革新の図式に加わってきた。
 これを掲げたのが小泉純一郎という男である。
 自民党は長らく保守政党として社会への影響力をもっていった。それはよくいえば地縁的で人間味があり、悪くいえばなあなあの世界である。
 この保守本流自民党にメスを入れ、「痛みを伴う構造改革」をスローガンに、小さな政府を進めてきた。資本主義を完全に助長することにより、規制緩和を繰り返し、経済を活性化させていったのである。
 その結果、日本は好景気となった。あのいざなぎ景気を超える好景気だった。
 しかし、我々が好景気だと実感することはなかった。
 その好景気の恩恵を受けていたのは一部のエリートだけで、一般庶民はむしろ貧困化していったのである。
 こうして格差が生まれた。
 そして、小泉という男は、小さな政府の最たる目標である郵政民営化を多くの国民の支持を得てやってのけ、首相をやめるのである。
 この郵政選挙を見ている限り、日本国民は政治的資質に疎いとしか言いようがない。郵政選挙の頃から徐々に明らかになっていた格差。ライブドア村上ファンドが前に出ていたこの頃に、どれだけの人間が「格差」に疑問を抱いていただろうか。




 思えば、その後続いた安倍・福田・麻生は、小泉とはある意味真逆の保守系の人間である。それが資本主義改革を声高に唱えた人間の尻拭いをさせられているわけだから、たまったもんじゃない。
 安倍首相の時に、小泉さんが「かわいそうと言われたら政治家終わり」と言っていたが、



 「かわいそうにしたのはどこのどいつだよ」



 と突っ込んであげたい。



 麻生首相はその末期症状である。というか、もともと麻生さん自身が保守のど真ん中みたいな人間だから、世論が革命を求めている中で、革命を起こすなんて無理な話である。
 そして、麻生さんにはブレーンがいないのだろう。普通、一国を代表する人間が辺鄙な発言をしないように、きちんと取り巻きがいるはずである。
 中川さんの時もそうだろう。誰か止めてやればいいのである。
 なぜ、それができないのか…。



 中川さんだけを責めるのはおかしい。
 でも、今のメディアはそうやって張本人を攻めて数字を稼いでいる。
 僕から言わせたら、今のメディアは新手のネットいじめと一緒である。
 酒井法子の時もそうである。草磲剛の時もそうである。
 個人を晒し者にして自分は数字を稼いでいい思いをしている。
 ひとりをターゲットにして、その人を徹底的に貶める。
 まるで学校で起きているいじめと変わらないではないか。




 もちろん、メディアの前で醜態をさらしたことは、厳しく批判されねばならない。
 でも、それは中川さん一人の責任ではない。
 日本人は、日本のメディアは、責任をだれか(個人)になすりつけないと気が済まない性質らしい。
 しかし、日本人がそうした気質であれば、政治的判断なんかとてもじゃないけど、できやしない。
 また、知らないうちに政治に踊らされるだけである。




 我々は民主党という今までとは異なる政党に政権を委任した。 
 で、あるからこそ我々は常に政治をチェックしなければならない。
 政権与党のしていることは正しいのか。
 と同時に、メディアは正しい事を伝えているのか、これもきちんと判断しなければいけない。
 


 こうしたことをするのは大変である。
 でも、こうした大変なことをしなければ損をするのは我々である。
 私たちはそのことを深く自覚しなければならない。



 中川昭一氏のご冥福をお祈りするとともに、今こそメディアという媒体の功罪を問わなければならない。


 
 ちなみに、小泉改革がいかに国民をしれっとだましていったのか、そして日本人がいかに政治に疎いのか、だからこそ、きちんと政治を見なければならないということを感じたいなら、こちらの本をどうぞ。おすすめです。
 

若者のための政治マニュアル (講談社現代新書)

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