青い森のねぷたいブログ

青い森です。東京の某所で教職についています。教職に関することを主につぶやいていきます。

クローズアップ現代「理科離れを考える」

 NHKでやっていたクローズアップ現代を見ました。
 テーマは「理科離れ」。理科に苦手意識を持っている小学校の先生の事例が紹介されていました。
 その先生は、水溶液の単元で、「ものが溶ける様子」についてやっていました。そこでは子どもに「ものが溶ける様子」を実験し、観察させていました。そして、感想を書かせると、子どもは「ものが落ちていく様子」がわかったり、ものが溶ける様子を描写する有様を記入しているだけで、愕然としたという内容。



 (゚Д゚) ハア??



 もちろん、テレビの編集の問題もありますし、その先生は他の分野では輝く才能を持っているので、出ていた先生を批判するつもりはありません。むしろ、こんなにひどいのによくまあ、自分の課題を惜しげもなく披露したな、と思います。そこは尊敬します。



 が、




 お前はバカか




 ただ、観察させればいいってもんじゃないだろうが(`Д´)



 そして、同僚のベテラン教師から、「溶けないものと対比させないと、溶けたという意味は分からないよ」と指導されていました。



 が、



 そんなのベテランでなくても分かるだろうが(`Д´)




 科学の基本は、比較・矛盾からの課題提出と、それに伴った仮説の形成→検証→課題解決のプロセスを踏むことです。この場合、「溶ける」ことが分かるためには、「溶けるもの」「溶けないもの」の対比と同時に、溶けるものでも、砂糖と塩みたいに「溶ける量」(飽和量)が異なることから、「溶けてもなくなっているわけではない」こと、などを示し、子どもを不思議な科学の世界へ導いてあげること、そしてそれが起きるのは「なぜ」かを考えさせることにあるはずです。
 そんなの理科に門外漢の自分でも分かります。
 そんなのも分からない(教わってない)とは…。




 まあ、苦手意識を持つ前に、小学校の先生には子どもと向き合う以前にもっと勉強していただきたい、というのがそのテレビを見た感想でした。




 それと、若い先生はダメで、ベテランは素晴らしいと映すテレビもどうでしょうか。
 確かに、若い先生は経験があまりありません。子どもの考え方を知るのは経験でしか身につかないと思います。子どもに合わせた指導をするためには、子どもの思考を読み取ることは確かに大事です。
 


 が、



 それ以前に重要なのは、教師がいかに教養(授業の結論・オチ)を持っているか




 これに尽きると自分は思います。




 この教養に関しては、ベテランも新人もないと自分は思います。



 要は勉強するかしないか、それだけの差です。



 新人教師は、この教養に関して、自らのアイデンティティを持つことが重要ではないでしょうか。また、教養を吸収することに関しては、ベテランよりも新人の方が優れているはずです。そして、ベテラン教師は授業技術を伝授するのではなく、こうした教養を伝授することの方が重要だと思います。それは例え小学校であったとしても。




 子どもの思考を科学することは、無理とはいいませんがほぼ不可能です。それは自分が去年のフィールド研究を通じて痛いほど感じました。で、あるならば我々は科学の思考を学び、それを発達段階に合わせて教えることを考えるべきでしょう。それこそが教師の資質なのではないか、と自分は思います。




 社会は国語のような人文主義的・描写的ではなく、数学や理科のように科学的であるべきだ、というのが持論です。小学校の先生はどうも国語のような子どもの様子をつぶさに描写することは得意だけど、数学のように、初めに結論があり、そのプロセスを追究していく科学的思考はどうも苦手なようです。
 それが理科離れ、というのはないかと思います。
 そして、社会科は国語と同じ論理で行っていくから、「つまらなく」なるのだと自分は思います。
 


 で、あるならば教師は、自分の苦手なものに真摯に向き合い、積極的に勉強をすべきです。それは心理学ではなく、科学を、です。


以上