青い森のねぷたいブログ

青い森です。東京の某所で教職についています。教職に関することを主につぶやいていきます。

社会科カリキュラムを考える

 現在、うちの学校には社会科の先生が3人。うち、今年自分の指導教官をしてくださった主任の先生の異動が決まりました。しかも代わりにくるのがまたもや新規採用!おまけにもう一人の先生は、今1年生の学年主任なので、




 自動的に自分が、2年目にして社会科主任に大抜擢です。





 で、社会科主任として来年度真剣に考えていかなければならないのが、新学習指導要領に基づく新カリキュラムの編成。





 これまで、うちの学校では、就職系学校ではオーソドックスな、1年地理、2年世界史、3年現代社会というカリキュラム編成。それに、自由選択で、B科目や日本史、政治経済、倫理といった科目がある、という形。




 ところがどっこい、平成24年度からは東京都は日本史が必修になります。さらに、東京独自科目の「江戸から東京へ」という科目も入ってきます。
 個人的には、「江戸〜」の教科書を見ましたけど、別に悪くないですね。近世以降の通史的な内容に、東京の地域史が入っている、地域の歴史ラブな自分としてはかなり使いやすそうな教科書です。




 ただ、厄介なのが、この日本史をどこに入れるか、なわけです。
 一番いいのは、地理→日本史。ま、どちらも自分が持っているわけなので、この変更が一番変化が少なくて楽。




 ただただ、うちの長が、わざと議論をふっかけてきそうな感じなんです。例えば、
 「就職するのに、3年で現代社会をやるのは遅いのでは?いっそそういう基礎知識は2年で教えたらどうか」
 とか。まあ、そんな感じ。




 でも、普通に考えて、3年で日本史とか、世界史にして、果たして社会科的にOKなんだろうか。むしろ、うちの学校の生徒は、3年の4月から7月までが一番やる気があるんだし、多くが社会に出ていく以上、現代社会の知識を教えるのは、子どもの興味からしても、切実感からしても、やっぱり3年だと思う。




 それに、中学校の社会科の発想に立って考えれば、地理と歴史の上に公民がある。もっと、社会科の目標論に立って言えば、「社会認識の基礎の上に、市民的資質がある」わけだから、やはり、地歴を公民の基礎に据えるカリキュラムが理想のような気がする。




 こうやって言い訳するかwww





 ちなみに、アメリカとか他国のものをみれば、もっとカリキュラム的にあーだこーだ言うことができるんだけど、まあ、東京都勤務の身なので、それは省略。





 ちょっとだけ触れると、自分が修士論文の時に扱ったエドウィン・フェントンの『中等ホルト社会科』カリキュラムは、歴史解釈を行う際の基礎として、政治学、経済学、社会学などの社会諸科学の学問体系を理解させ、それを歴史解釈に応用するように、9年政治学と経済学、10年社会学と地理学、11年歴史学という学年編成がなされているのですが、




 まあ、そこまで厳密にやらなくてもいいでしょ。それに、目標が歴史解釈じゃなく、社会で生き抜くための知識だし。





 それにしても、1年間地理Aと日本史Aをやって思ったけど、




 日本史って、生徒に学ぶ意義を理解させようとしながらやると、本当に難しいね。その点、地理の方が公民に近いから、学ぶ意義は理解させやすい。




 いっそ自由選択を削って、1年地理、2年世界史、3年江戸から東京へ+現代社会にして、子どもにとって社会科を学ぶ意義を系統立ててもいいんだけど、
 そのカリキュラムを決めた当人が、24年度入学生が3年になる頃には多分異動しているだろうからね。迷惑はかけないようにしないと。




 まあ、中学校の社会をやり直す、かのような言い訳をつけて、それに歴史を学ぶ重要性的な理由をちょいちょい添えて出すか。本当は地理がいいんだけどなあ。歴史2つとかってありえないでしょ、東京都さんwww