青い森のねぷたいブログ

青い森です。東京の某所で教職についています。教職に関することを主につぶやいていきます。

ねぶたを考える2011

 昨年、自分は「ねぶたぐらい、地元民の自己満足の場にさせたれや」という意見(http://d.hatena.ne.jp/aoimori/20100806#1281059822)を書きました。
 そこから今年、東奥日報にある記事が掲載されていました。残念ながらウェブ版では公開されていないので、ざっくりとした内容を掲載しておきます。




 その内容とは、五所川原でカラスハネトが増えているので、市が本格的に規制に乗り出した、という記事です。
 これは数年前から指摘されていたことであり、もはや自明のことではあるのですが、いよいよ今年度、市が運行協議会を発足させ、「ねぶた参加は正装で」という呼びかけをしています。
 ただ、去年のくだりがあるので、自分としてはいささか疑問を感じざるを得ません。その点をぐだぐだ書いていこうと思います。



 一点目は、彼らを「カラスハネト」とラベリングし、それを「悪」としてレッテル付けすることの問題性です。
 去年も書きましたが、僕はあくまで祭りは観光客に見てもらうためではなく、自分が「悦」にひたるための場だと思っています。確かに観光客からみたら、ホイッスル吹きまくりのあの集団は「迷惑」で「悪」かもしれませんが、どんな格好をしようが、祭りを望む人を無下に断ってはいけない、そんな気がします。
 それに「カラスハネト」とか、「正装」とか言うけど、そもそも五所川原立佞武多に正装なんてあるんですか(笑)。



 二点目は、市が規制に動きだしたことによって、彼らが過度に反応してしまうのではという危険性です。
 人間だれしも「規制」されることを嫌います。そりゃ、行政側から見たら、立佞武多は観光資源であり、観光のために「規制」に乗り出すのは当たり前かもしれません。
 ただ、問題はどう「規制」するかだと思います。人間、悪者にされたら、さらに悪いことをしたくなるもの。この規制が裏目に出て怪我人が出たりしないか、そんな不安はあります。



 三点目は、立佞武多もいよいよ「イベント」になりつつあることへの危惧です。カラスハネトの増加は、自由な祭りを保障している以上、やむを得ないことだったと思います。ただ、それを「カラスハネト」と認定し、「規制」に乗り出したということは、いよいよ立佞武多も「祭り」ではなく、「イベント」になったな、という長らく立佞武多を参加している側からみれば、いささかの寂しさはあります。




 「規制」とはいえ、ロープで囲い込んでいる程度なので、まだ祭り本来の在り方が保たれている感じはしました。ただ、今日外側から見た感じだと、最後の立佞武多がいなくなった後に、いわゆる「からきじな連中」が出てきた時に、見ていた人たちがその場からサーッと逃げ出しました。その光景は、まるでカラスハネトが顕在化していた頃(自分がねぶたを見た15年前)の青森そっくりでした。




 歴史は繰り返すのでしょうか。西北五地区は、「観光」や「イベント」ではない、本来の「祭り」を楽しんでほしいと思っているのですが、果たして…。



 いずれにしてもこの問題は、来年度以降も続きそうなので、注意して見ていこうと思います。