青い森のねぷたいブログ

青い森です。東京の某所で教職についています。教職に関することを主につぶやいていきます。

 最近、本を読んでいないので、脳が思考停止になっている気がする。
 今日は、部活動の話を書きます。少々愚痴も入るかもしれませんが、ご容赦を。
 わがバレーボール部も主顧問が代わって半年が経ちました。その間、僕が主顧問とウマが合わないこと、今までのやり方を主顧問が全く無視して部活をしていったこと、怪我や盗難などの被害が起きたことなどなど、さすがに新規採用者だけあって、去年では考えられないほころびがたくさん出てきました。
 いずれも僕が主顧問だったら、絶対に引き起こさないことばかり。
 ただ、彼はバレーボールが好きなので、下手に意見をしたところで、当初は全く聞き耳をもってくれなかったので、僕も話すことをやめました。




 夏休みも練習試合練習試合の毎日で、僕としてはいろんな経験ができたのでありがたかったですが、選手たちの家庭の中には、必ずしも金銭面で余裕がある家庭ばかりではないため、それで不満をためることも多かったようです。




 そんな主顧問も半年が経ち、ようやく僕の話を聞いてくれるようになりました。
 それは、僕が怒鳴り散らして無理やり聞かせたわけではなく、1年生部員が2人やめるということがきっかけでした。



 しかもそれは、親が主顧問に対する不信感を持ち、その件が学校まであがってきたことが発端でした。
 部活動は親の協力なしにはできません。当時は厳しく指導をしていたり、無理な勧誘などをしていたこともあり、主顧問の印象が悪かったみたいです。
 親って子どもの言うことを信頼しますし、うわさは悪いうわさであればあるほど、そのスピードは速いので、「こんなに練習で厳しいことをした」っていうことしか親に報告が上がらないみたいで。




 それをその都度その都度、主顧問は親に対してフォローはしていたみたいですが、おそらく向こうの話をそこそこに、自分の意見ばかりを電話で話していたみたいです。
 そのうちの1人の母親は、片親で、うつ傾向が強い人みたいで、夏休み明けに、その1人の生徒が、ある生徒の悪口を言っていた現場に同席し、それが発端となって、バレー部で連帯責任で掃除をしたり、反省の為に髪を短くしてほしい、ということを言い、本人が母親に「死にたい」と言ったことが引き金となって、学校に連絡が入ってきました。
 それが管理職にも入り、それで部活をやめるという形になりました。




 この失敗が彼の考え方を大きく変えたみたいです。




 それでようやく、僕が言っていた意味を少しは理解したみたいです。




 ただし、僕は事前にある程度予期できていたのに、僕から言わせればそれを無視して、結果、多大な犠牲を払って、ようやく理解したみたいです。



 個人的にはその生徒がかわいそう。




 いや、もちろん、責任をシェアしなかった自分にも責任はあると思いますよ。でも、3年生が引退した地点で、個人的にはそれを僕は放棄しました。なぜなら、僕の話を聞いてくれないから。それに元々部活人間じゃないし、責任を負うのは好きじゃないので、その方が楽だし。




 今はそれを経て、彼の中にはまだ強くしたいという思いはあるみたいですが、ある程度はそれを心のうちにしまいながら部活をしているみたいです。最近は、少しずつ以前に比べれば、関係は良好になってきていると思います。




 ただ、個人的には彼らの能力が足りない部分を、「障碍」ととらえたり、ここの学校が「生徒はダメ」と思っているうちは、まだまだかな、と思いますね。
 もちろん、そう自覚して臨むことは大事だとは思いますけど、でも、そんなこと言ったら、僕だって「障碍」はあるしさ。




 僕は専門的指導はできないので、極力介入はしていませんが、部活動は基本的には「勝つ」ことが目的ではなく、「自己実現」の場だととらえています。
 それは、「こんなことができるようになった」という、自尊心を培わせることと、それを3年間積み重ね、自分で語れるようにすることで進路実現へ、というスタンスです。
 もちろん今の主顧問も、同じことをしています。ベクトルが一緒だから僕も嫌がらずに部活に参加しているわけです。




 ただし、うちの生徒の場合、主顧問が経験してきたところとは違い、「自己実現」のためにくぐっていかなければいけない障壁が多すぎるわけです。
 この間、川崎の某高校で練習試合をした際、春高に神奈川代表として出場したことのある監督さんとお話しする機会がありました。その時にその先生が言っていたのは、「弱小校であればあるほど、自分はできないというマイナスイメージが強いから、まずは褒めて伸ばしていくこと、それから、選手に寄り添いながら話を聞いてやること、この2つが大事だ」と言っていました。




 僕もその通りだと思います。




 今の時代は、本当に価値観が多様化しているし、一人で何でもしなきゃいけない社会になっているので、なおさら話を聞いてやるってことが大事になっているんだよね。



 うちの校長は節電とか、定時制の絡みとか、そんなので早く生徒を返そうとしていますが、こんなことをするから、特にうちの生徒の場合は、何もできないまま、何もしてやれないまま卒業しちゃうんだよな。
 僕はそれが一番よくないことだと思う。




 真っ当な大人が、時間をかけて教育を施してやらないと、特にうちの学校や、チャレンジスクール、エンカレッジスクールは伸びていかないと思う。
 「朝起きれないのも個性だよ」、そんなことをして、教育をみっちり施したエリートと、何もしないバカを区分けし、エリートがバカを支配する、そんな社会を都は目指していると思うと、本当に情けなく感じるよ。




 話が大きくなりすぎました。




 まあ、少なくともバレーボールに対しては一生懸命向き合う部活になってきているのは間違いないので、きっと今の主顧問が異動する4年後には、強いチームが作れていると思います。僕はそれを今のスタンスで支援できれば、と思います。
 明日も部活か。がんばろ。