青い森のねぷたいブログ

青い森です。東京の某所で教職についています。教職に関することを主につぶやいていきます。

ちょっと前に買った本

 

ポスト戦後社会―シリーズ日本近現代史〈9〉 (岩波新書)

ポスト戦後社会―シリーズ日本近現代史〈9〉 (岩波新書)



 日本現代史の参考になればと思い、購入。
 岩波新書の現代史は、他にも7巻と8巻もあるんだけど、イマイチ面白くなかったのですが、この9巻はすんげー面白かった。さすがは社会学者が書いた、って感じ。
 特に、戦後社会と、ポスト戦後社会とに分類し、ポスト戦後社会の象徴として、東京ディズニーランドオウム真理教があるんだ、っていう分析は、なるほど、の一言。
 だいぶ前に読んだので、印象だけで書くと、1970年代以降に、テレビがお茶の間に定着し、情報化社会が進展していく中で、「現実」と「非現実」との区別がつき始め、人々が「非現実」の世界を「消費」し始めるようになった、っていうことかな。ディズニーランドは、その最たるものだよね。あそこは、夢の国であって、現実ではないんだよね。
 この考え方を応用すると、現代(2000年代以降)の高度情報化社会では、もはや「非現実」(ヴァーチャル)な世界が「現実」として存在し、我々が、「実際を生きるリアルな自分」だけでなく、「ネットの中を生きるヴァーチャルな自分」をも形作らなければいけなくなったこと、その結果、いわゆる「キャラ」を消費するだとか、「キャラ」を演じる中高生だとか、そういう問題が出てきたんだよね。
 今の時代は、高度情報化社会であると同時に、高度消費社会でもあるので、そういったことも、なんとなくでいいから、生徒に教えたいよね。
 



 ちなみに僕は、1980年代生まれなので、「非現実」の世界で演じるのは苦手かな。「現実」世界を、ヴァーチャルな世界に落とし込んでいる、っていうイメージ。でも、中高生はそのヴァーチャルな、僕から言わせれば「非現実」の世界を、「現実(リアル)」だと思って生きているよね。





 リアルといえば、ちょっと前にこんな本も買いました。
 

60年代のリアル

60年代のリアル




 僕はこの人と古市憲寿さんを比べた時に(どちらも同じ20代)、古市さんのテイストの方が好きなんだよね。なんて言うか、嫌なことや自分の主張があっても、それをまっすぐに気持ちでぶつけるんじゃなくて、「あっ、こんな現象があるんだよね」「この現象が起きてるからこうなんじゃない?」みたいに、人を食ったような、社会を端に見ている感じの方が好き。
 ちなみにこの本は、まだ未読破だけど、僕はなんか「熱いもの」を感じた。1960年代のものを、80年代の人間が、「歴史」として「感じる」こと自体が斬新性の高いものなんだろうと思うんだけど、いかんせん、気持ちが前面に出すぎている気が・・・。



 とはいえ、面白いですよ。最近は、1980年代世代が本を出すようになっているんだからね。
 そういえば、NHKで、3月31日に、20代と30代でまた社会のことを議論するらしい。お正月にやっていたみたいなんだけど、それは見てないから、今度のやつは見ようと思う。
 ちなみに書籍化されてたね。買わなかったけど。