青い森のねぷたいブログ

青い森です。東京の某所で教職についています。教職に関することを主につぶやいていきます。

最近読んだ本

 最近、次の2冊を読みました。

 

増補版 ディズニーランドの経済学 (朝日文庫)

増補版 ディズニーランドの経済学 (朝日文庫)


 1987年に出された本の増補版。1987年当時から、いわゆる消費社会が進展していて、その象徴としてのディズニーランドという視点で書かれていました。今はそれがさらに進み、高度情報化社会の中での消費社会なので、よりデザインとか、そういう瑣末なものが重視されるようになっています。
 この地点では、ディズニーランドは日本の文化になじまないのでは、という心配もありましたが、そんなことはなく、徹底的に「夢の国」、「仮想の世界」を演じきっている点で、今でも人々に「夢」を与えているんですよね。最近の消費傾向は、「モノより思い出」ですからね。





 オードリーのオールナイトニッポン構成作家をされている方(だそうです)。中身自体は非常に面白く、日本の近現代史を紐解くと、およそ78年周期で、ひとつの時代が終わりを告げている。それをいくつかの時期に区分すると、驚くほど、近代史と現代史が共通している、という本です。
 例えば、2012年は、1945年から67年目。明治が1868年スタートなので、近代史でいうと、1935年にあたります。
 では、1930年代前後と今を比べてみましょう。
 まずは、不況という点が共通しています。近代史では世界恐慌、現代史ではリーマンショック。いずれも世界同時不況が起こり、日本が経済的な不況に立たされています。
 次に、政党政治への不満がたまっています。特に、満州事変前後の1930年には、1925年の普通選挙法により、立憲政友会と立憲民政党という二大政党制が確立した時代。これは今の自民党民主党の二大政党制と共通しています。
 ただし、二大政党制は政権交代を容易にし、民意を反映しやすい点はありますが、一方で、やっていることがほぼ一緒であれば、細々した足の引っ張り合いになります。立憲政友会と立憲民政党の時代もこれは一緒であり、政治への閉塞感が漂っていました。自民党民主党も変わらないですよね。もう、どこが政治をやっても一緒。しかも不況が重なっているもんだから、より政治への不信感は高まっているわけです。
 そんな中、近代史は、満州事変をきっかけに、軍部が台頭し、民主主義が崩壊。軍部による独裁政治が始まり、戦争へとつきすすんでいきます。
 これと同じ轍を現代史は踏むのでしょうか。踏んで欲しくはないのですが、おそらく今年中に解散総選挙があるでしょう。そこでは、橋本大阪市長率いる「維新の会」が第三政党として躍進し、既成政党を打ち破るのではないかとされています。
 そうなれば、政治の素人が多く、日本の政治を牛耳ることになることが予想されるので、日本の政治はますます大混乱に陥るでしょう。この「維新の会」のやり方は、ファシズムに対して、「ハシズム」と呼ばれていますが、国民が「ハシズム」を信じてしまうのか、信じたとしたら、日本の未来は、また破滅の道へと進んでいくことになるでしょう。


 そんな斬新な時代区分を行い、近代史と現代史を分かりやすく区分し、説明しています。自分みたいに授業時数がなかなか確保できない勤務校で日本史Aを教えるとき、重要なのは、こうしたざっくりとした時代区分と、現代につながるエッセンスの説明、なのではないでしょうか。来年の日本史の参考にしようかと思っています。