青い森のねぷたいブログ

青い森です。東京の某所で教職についています。教職に関することを主につぶやいていきます。

現代史をどう教えるか②〜戦後すぐの人々のくらし(梅ちゃん先生を通して)

 今日も、自分が今年行った授業の中から、ネタとして使えるものをピックアップ。
 今回の教材は、今年のNHKの朝の連続テレビ小説梅ちゃん先生」。このドラマは、戦争が終わった1945年8月15日から、1960年までの、大田区蒲田を舞台に描かれており、戦後の人々の暮らしを理解するにはもってこいの資料です。
 とりわけこの時代の人々の暮らしを教える時には、この資料はものすごくいい。


 例えば、梅ちゃんがお姉さんと「配給の米」をもらいに行くシーンがあります。その次にはお母さんがもらいにいくシーンもあります。しかし、どちらも米をもらうことができません。そこで、おばあさんの衣装をもって、近郊の農村へ「買い出し列車」に乗っていくシーンがあります。



 ここで、日本史Aの教科書にある「当時の食糧不足」「配給」「買い出し」という単語を教えることができます。



 さらに、蒲田の市場(闇市)のシーンに、「リンゴの唄」が流れるシーンで、「闇市」と「リンゴの唄」を教えることができます。



 また、梅ちゃんの父親が新聞を読んで驚くシーンでは、「新円への切り替え」および「預金の引き出し制限」(金融緊急措置令)を教えることができます。そこでは、お母さんが「これでは生活ができないわ」や、父親の弟が闇市で取引をしているので、「旧円はじきに紙くずになる」というセリフに注目させ、その結果、どんなことが起こるのか、そもそもなぜ金融緊急措置令を行なったのか、などを考えさせると、実は「インフレ」や「デノミ」といった、経済現象が理解できます。




 その他にも、「玉音放送」「戦争孤児」「街頭テレビ」「白黒テレビ」「2DKのマンション」など、よーく注目してみると、実は1960年までの戦後を彩ったものが、所々に散りばめられています。
 ぜひ戦後史を教えるのに困っている際には、ぜひご活用ください。