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新幹線で朝井リョウの最新作を読みました。
- 作者: 朝井リョウ
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2013/07/05
- メディア: 単行本
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情熱大陸を見たのでその勢いで読もうと思って買いました。新幹線の中でほぼ読了しました。
多分何回も読むといろいろとわかるとは思うのですが、そんな時間もないので感想だけ。
朝井さんの小説って、いろんなところをぼかして最後に伝えたいことだけ感情込めてドカンと伝える、っていう感じなので、個人的には読みやすいんだよね。
以下、ネタバレ。
結局伝えたいことはこの2つのセリフに集約されていますね。
「いじめられたら逃げればいい。笑われたら、笑わない人を探しに行けばいい。うまくいかないって思ったら、その相手がほんとうの家族だったとしても、離れればいい。そのとき誰かに、逃げたって笑われてもいいの」
「その中でね、私たちみたいな人が、どこかで絶対に待ってる。これからどんな道を選ぶことになっても、その可能性は、ずっと変わらないの。どんな道を選んでも、それが逃げ道だって言われるような道でも、その先に延びる道の太さはこれまでと同じなの。同じだけの希望があるの。どんどん道が細くなっていったりなんか、絶対にしない」
それにしても、児童施設の子どもたちが本当に子どもっぽい無邪気さがあって、その無邪気さの中に、それぞれが闇をかかえていて、それが「周り」のせいだ、っていうのがすんげーよく映し出されている。
特に最後のランタンのくだりは、本当に子どもらしい発想だよね。
今は様々な事情があって、選択の自由があるから、子どもであったとしてもそこから「逃げる」自由が少しずつ保障されつつあるんだよね。
でも、やっぱり小中は義務教育だし、高校もほぼ義務教育みたいなもんだから、学校に行かないという「自由」や、そこから「逃げる」ということが社会的には認められていないんだよね。
過去は変えられないけど、未来は変えられる。過去が闇だらけだったとしても、そんなのは関係ない。大事なのは「今」だし、「未来」。そのために行動することが大事になってくる。
そして、誰かが必ず認めてくれる、その環境がクラスにあるなら最高だし、そうじゃなくても、未来の自分のために努力だけは怠らないでほしい。
今担任しているやつらをみて、今の自分が思っていることです。
そんなことをこの本を読みながら思いました。