青い森のねぷたいブログ

青い森です。東京の某所で教職についています。教職に関することを主につぶやいていきます。

 2020年の教育を振り返る

 

 新年が明けましたが、ひとまず2020年の振り返りをしたいと思います。

 2020年、現任校が6年目となりました。現任校で中1として担任した生徒たちも、ついに最高学年。中1の給食の時間に、彼らが6年生になった時に、東京オリンピックが開かれているのか・・・と思っていた未来が、現実に近づいてきました。

 

 しかし、オリンピックは開かれなかった。それどころか、COVID-19の流行により、学校は休校に追い込まれ、様々な学校行事も中止に。彼らの最後の行事であった体育祭も中止を余儀なくされました。

 

 と同時に始まったのが、office機能を使ったオンラインでの指導。とはいえ、会議機能でリアルタイムでやるのではなく、動画とスライドを作成し、それをアップする、という活動となりました。

 

 4月以降は、教員側の自宅勤務も始まり、荷物だらけでとても作業ができない机の上で、いそいそと授業スライドを作る日々が始まりました。

 (とはいえ、昔からSTAY HOMEは得意分野。むしろ、あらゆる行事や部活が中止になったことは、生徒のことを思うと残念だが、自分からすれば、休みが増えた、正しく休めた、という側面もありました)

 

 

 そんな中、6月よりいよいよ段階的に授業が再開されました。昨年度、あれほど議論型の学習をしていたのに、ソーシャルディスタンスの名の下、グループ学習をしちゃいけなくなったので、元の講義型の授業に戻りました。

 

 

 7月に行ったテスト。大学入試共通テストを意識して作ったものの、基礎知識が入っていない(=教師側と生徒側で出題傾向の合意がなされていない)ために、やっぱり対面の授業って大切なんだな、と改めて感じるところとなりました。

 

 

 その後は、それをうめるように夏期講習をしつつ、行事がなくなった分、授業がつぶれないので、しっかり授業と向き合うことができました。その意味では、学校行事って何なんだろな、と考えさせられました。

 

 

 そして迎えた11月のテスト。共通テストを意識しつつ、用語の確認もしましたが、こちらが想定した以上にはできておらず。自分の授業のもどかしさというか、課題を感じました。

 

 

 

 この6年で、自分は受験指導はめちゃくちゃうまくなりました。私大の入試も解きまくったので、用語集のどれが出やすいか、それをふまえて、どう効率的に紹介すればよいか、を身につけることができました。

 ただ、授業は下手になったなあ・・・そんな印象を抱いています。すなわち、前の学校でやっていたような、ここでこういう問いを投げかけて、こういう史料を出して、こういう答えが返ってくるから、こう返して・・・みたいな。そんなレスポンスを行う授業ができなくなりつつあるな、と。

 

 

 もちろん、自分の授業は、既習事項の用語を誰かに答えさせたりする活動はあります。ただし、答えさせるのは歴史事象。「どう思う?」などのオープンエンドの問いはしなくなりました。

 

 

 

 と同時に、社会科教育学の話題についていけなくなりました。今年はオンラインで様々な学会を申し込みましたが、何か、自分が所属している学校文脈と合わないなあ・・・と。ああ、確かに、東大や京大の学者たちは社会科教育学を軽視するよな・・・。そんなことを体験したような気がします。

 

 

 

 ぶっちゃけ今は、少しの予習で授業ができます。語ることもできます。幸い、今教えている生徒は、自分の授業を4年間習ってきている生徒ですから、自分がどういう人間で、どういう授業をするのか、ある程度の信頼関係をもってやれています。

 だから授業が楽。多少適当にやっても許容範囲。そんな感じになっているな…と。

 

 

 もちろん、事故にならないように最低限の予習はしますが、やはり彼らの「学びの意味」に「受験」という要素が入っている以上、これを避けては通れないだろう・・・、そう考えて授業をしています。

 

 

 社会科教育学を2年間学んできた自分だからこそ、進学校で長くやっていると、このジレンマに陥ります。ぶっちゃけ、授業技術とか、目標論とか、そんなのあまり必要ないもんね。だって、彼らは別なところでも学んでいるし、素養もあるから。

 

 

 本当に恵まれた環境でやれている。これは感謝すべきことだと思います。だけど、自分の成長、という点で見ると、このままでよいのか、と考えている自分もいます。

 

 

 まあ、元来の面倒くさがりやなので、現状維持のままここまで来ました。おかげで今年は、ストレスがほとんどかからない状態で過ごすことができました。本当にありがたいことです。

 

 

 2021年、自分はどうなっているのでしょうか。次のステップをそろそろ考えないとな、と思っています。当然、そのステップでつまづくこともあるかもしれません。でも、死なない範囲で頑張ってみようと思います。来年はこれまでを振り返りつつ、新しいことにチャレンジできたらと思っています。