青い森のねぷたいブログ

青い森です。東京の某所で教職についています。教職に関することを主につぶやいていきます。

6月・7月に買った本

 ここ最近は、あまり本を読めていなかったのでようやく買った、という感じですね。

 

 

  歴史をやっている人なら読んでほしい一冊。コロナ禍後の格差拡大により、社会主義が再評価されているという。そうして社会主義共産主義的な、いわゆる左翼運動が再評価されているなかで気を付けなければならないことが、現在の日本では左翼と右翼に大きなねじれが生じていることである。本来、右翼は保守的で、左翼が革新的である。つまり、左翼側は、新しい体制を生み出すことを期待するため、人民の武装化を支持することにあります。この本では、戦後の日本共産党が、武装化を支持していたことも触れられており、それだけでも意外性をもって受け止められると思います。

 

 なぜ、日本では左翼と右翼がねじれているのか、それを歴史的にアプローチしている一冊になっています。また、この本を読むと、なぜ左翼の人が右傾化することができるのかも理解できるかと思います。(左翼の右傾化は、1990年代だけでなく、1930年代の転向の時代にも見られる傾向ですよね。なので、この左翼と右翼のねじれが理解できると、転向も理解できるかと思います)

 

 

 

  歴史総合の教材作成のために購入。ある教科書に、「アルメニア商人」の動きが載せられていて、「アルメニア商人って何?どんな役割果たしたの?」で検索していたら出会った一冊。

 アルメニア商人の動きが見えてくると、産業革命以前は内陸の商人たちがネットワークを持っていて、そうした商人を受け入れた国が発展していることが見えてきます。これは、中学の歴史教科書には見えてこない部分なので、ぜひとも高校の歴史総合で説明したい内容ですね。

 それ以外にも、遊牧民イスラム商人、ヴァイキングなど、歴史総合の「近代化」にとって重要な、移動のネットワークの実態を平易に理解できる本かと思います。

 

  これも歴史総合に向けて購入。東京大学の世界史は、世界の成り立ち、とりわけ国家の概念を問う論述問題が多い。また、同時代の他地域の政治体制の比較や、その後の影響などを問う問題も多い。そうした視点から、歴史の「構造」や「概念」を理解しようとする本になっている。

 例えば、「イギリスの革命が世界に与えた影響は限定的だったのに対し、アメリカやフランスの革命はなぜ世界に大きな影響を与えたのか」という問いが設定されている。その際に使われるキーワードが、「いいねが集まるキーワードを使っているか否か」、では、そのキーワードとは何だったのか・・・そんな感じで展開しています。

 詳しく知りたい方はぜひご一読ください。

 

  全歴研の第5分科会を視聴した流れで購入(もともと買おうと思っていた)。

 皆川雅樹氏が様々な高校現場で見てきた「生の」授業を紹介している。もともと皆川氏は、歴史の授業にアクティブ・ラーニング的な要素を取り入れた先駆的実践者であり、その考え方に共感した先生たちが、自身が「実際に行った」歴史授業を紹介している。

 こうした「実際に行った」授業からのアプローチは、とても重要で、今回の指導要領が求めているのが、「生徒自身が問いを見いだし、その問いを解決していくプロセスを追体験する」ことにある。それを歴史でやるのはなかなか骨の折れる難しい作業なのだが、それに果敢に挑戦している先生たちの実践を知ることができる。

 歴史授業に困っている先生は、ぜひ読んでほしい一冊である。