青い森のねぷたいブログ

青い森です。東京の某所で教職についています。教職に関することを主につぶやいていきます。

卒業論文で思うこと

 今日は地理学の卒業発表会(といっても聞きたいところだけ)を見に行きました。みんな背広で僕だけ普段着という完全アウェーな状況を気にせず、一番前で見てました。
 というのも、青森県の今別の荒馬を題材に卒業論文を書いた方がいるらしくどんなもんなのか、っていうのが気になったもので、そこだけ聴講。
 以下、気づいたことや思ったことを長々と書くので、見たい人だけ見てください。

 今別の荒馬はうちの大学の和太鼓サークルが取り上げているように、地域だけでなく、地域外の人たちが祭りの活性化の役割を担う祭りの一つであり、むしろ地域外の人たちが祭りの中心となって、祭りを先導しているような祭りで、有名な「よさこいソーラン」に類型的には近い。
 今回はそういう地域外の人たちが祭りとどうかかわっているのかと言う視点での論文がこれまでなかったために取り上げたということだそうで、この視点と非常に近いものが今年の夏に青森や東京など数局で荒馬をテーマにテレビで放送されていたので、だいたいの論旨の予想はついてはいたのですが、まあ、論旨は「地域外の人が荒馬を引っ張り、それが逆に活性化につながっている」みたいな感じです。


 これは、何も荒馬に限ったことではなく、青森のねぶたも関東の各地域(僕が知っている範囲では、つくば、桜新町、立川、相模原など)で行われていますし、関東の学校でねぶたを制作して運行しているという事例も聞きます。しかしながら、ねぶたに関して言えば、それは「青森ねぶたを引っ張る」ほどまでのパワーはなく、結局二番煎じや観光アピールなどで終止してしまいます。しかしながら、荒馬は、地域外の人たちが祭りを引っ張るという点だけでなく、若い人たち、つまり、「大学生」が関わっている点に「荒馬」と「地域外」の人たちの関わりの特異さを見いだせる。ねぶたを作るサークルは関東では聞きませんが(もしあったら入りたいので教えてください)、よさこいや荒馬などは、サークル活動の一環として行っている大学は多いようです。しかも、東大付属中学など幼稚園児から中学生まで、幅広く講習を受け、踊っている学校があるということもすごいことだと思います。


 今別という津軽の端くれ(今別の方すいません、僕も人のこと言えないような町に住んでますけど)から生まれた民俗芸能が、こうして全国に広まっているというのは、青森県民としては嬉しいことですし、これからも総合的な学習の時間の教材などでもっと多くのところに広がっていけばいいなと感じます。発表者の方は、別に青森県の出身の方ではないようで、サークルで魅せられて、調べたようです。なので、より客観的に地域外的な視点から、「祭りと地域外の人たち」との関わりが窺い知ることが出来てよかったです。ただ、欲を言うと、逆の「受ける側」、つまり、地元の人たちの視点を役場の方の話だけでなく、小学生や中学生などにも聞き込んだことを発表してもらい、地域外と地域内の現状の認識についてもう少し深く掘り下げるような発表があってもよかったと思います。


 ちなみに荒馬は8月4日〜7日だそうで、僕は立佞武多に出たいし、今別には3〜4時間ぐらいかかると思うので、絶対に行けません。


 それにしても、地理学ってすごい簡単だなあって感じました。正直あんなんでいいのか?って思ってしまいました。まあでも、荒馬の事象をあそこまでまとめるのには相当な時間がかかると思いますので、それを勘案すると、大変さ具合は同じか。