青い森のねぷたいブログ

青い森です。東京の某所で教職についています。教職に関することを主につぶやいていきます。

買った本の紹介(7月)

 

 歴史的に考えるとはどういうことかについて、本当に考えている本。

 普段歴史的に考えているはずなのに、今の歴史教育がそれを意識化していないので、そういうことになっていないことが述べられている。

 参考文献にクレヨンしんちゃんの「オトナ帝国の逆襲」を載せている辺り、歴史分かっているなって印象。

 時間があったら精読して、本のコメント書きます。

 

歴史的に考えるとはどういうことか

歴史的に考えるとはどういうことか

 

 

教員免許更新講習をしてきました。

今日は教員免許更新講習でした。

今回の講習は、附属の授業をみて、その後に附属の先生方と議論、その後、試験という授業好きにはたまらん内容。

いやあ、進学校だけあって、授業はさすがに面白かった。日本史Aでは、米騒動を米の需給の問題、すなわち、大正時代、米めっちゃ食ってたんじゃね?、え、でその米どこから手にいれてたの?という視点の資料を10くらい用意し、それをまとめるという内容。

地理Aも面白かった。氾濫原、自然堤防、三日月湖、後背湿地を確認した後に、あなただったらどこに家を建てる?と質問。生徒の認識では、自然堤防の外側、となるのだが、後背湿地は泥地だよ、じゃあ、どこかな?、実際の地形図で答え合わせし、自然堤防の上にあるね、なぜだろう、とか、新潟県信濃川周辺の瀬替え(川の流れを変えること)した地形図をみて、この中で、防災という観点で注意しないと行けない場所はどこ?(答えは瀬替えしたところの住宅地は、地盤が弱く、液状化の可能性がある)といった感じ。

この学校だからできるという感じではなく、アレンジ次第で応用可能な内容だった。

この後の協議会では、知識が先か、問いが先か、という議論や、生徒に実感を持たせる問いが重要などといった意見が出た。生徒にとって問いが実感のあるものなら、自然と調べようとするのかな、と。

自分の授業のリフレクションになりました。来週からも日本史頑張ろうと思います。

買った本の紹介

 6月になりましたね。行事運営もひと段落して今はテストづくり中です。

 それにしてもマークシートって便利だね。

 

 

 

誰の味方でもありません (新潮新書)

誰の味方でもありません (新潮新書)

 

  古市さんらしい社会分析。読んでいて、そうだよな、って感じる。

 

 

 

経済で読み解く日本史? 明治時代

経済で読み解く日本史? 明治時代

 

  この巻は金本位制が分かれば明治時代がわかる、というテイストで書いている。

 特に金本位制は、金の保有高=貨幣発行量なので、金が出てこない限りデフレになるし、金が出てくればインフレになる。その辺りが分かりやすく書いてある。

 ただ、外交の解説は単純で「・・・」な部分が多い。この当時の朝鮮の対応を酷評しまくっている。朝鮮人嫌いなのか、っていうぐらいの書き方。

 一部首肯しかねる解説もあるが、経済に関する説明はとにかく分かりやすい。

 

 

 

明治史講義 【テーマ篇】 (ちくま新書)

明治史講義 【テーマ篇】 (ちくま新書)

 

 

 

明治史講義 【人物篇】 (ちくま新書)

明治史講義 【人物篇】 (ちくま新書)

 

  やっぱり買っちゃいました。これを軸に日本史は説明しています。

 特に人物篇はおすすめ。

とりあえず買った本の紹介

 

三条実美-維新政権の「有徳の為政者」 (中公新書)

三条実美-維新政権の「有徳の為政者」 (中公新書)

 

  この人は不思議である。攘夷派の公家で、教科書では八月十八日の政変による七卿落ちで出てくるが、その後明治政府の公卿となり、彼の体調不良が明治六年の政変をもたらし、かと思えば晩年には黒田と山県の間に、幻の三条実美内閣がある。目立たないけど、地味に、かつ大きな影響を及ぼしている人物。

 

 

 

  彼もまた不思議な人物。戊辰戦争の幕府方の大将。なのに処刑されずに生き延び、樺太千島交換条約を結ぶ。その後も北海道開拓に活躍するなど、外交に、農政に活躍した人物。また、数々の大臣も歴任した。教科書ではあまり取り上げられないが結構すごい人物。

 

  今年の日本史の授業は、ここに描かれている「システム」を軸に歴史を教えています。

 

 

B面昭和史 1926-1945 (平凡社ライブラリー)

B面昭和史 1926-1945 (平凡社ライブラリー)

 

  後半はここにあるネタを使って学ばせようと思っています。

「学校」を作り直す

 

「学校」をつくり直す (河出新書)

「学校」をつくり直す (河出新書)

 

 

 苫野先生が考える公教育の本質は(どの著作でも書かれていますが)、

 

 「自由の相互承認」

 

 である。

 

つまり教育は、すべての子どもに「自由の相互承認」の感度を育むことを土台に、すべての子どもが「自由」に生きられるための“力”を育むためにあるのです。

 

 これが苫野先生がずっと言い続けている主張である、本書では社会の急激な変化から、今こそこの本質に立ち返って、学校を作り直す必要があることをものすごく主張している。

 苫野先生は「自由の相互承認」をするためには、画一的な年齢集団による一斉授業、手段が目的化してしまっている校則(髪型や服装の徹底など)はやめ、もっと生徒の「探究」を進めていくこと、先生は生徒の「探究」をサポートしていく存在であるべきだと主張している。

 そうした取り組みはすでに行われていて、例えばイエナ・プランを導入している教育委員会、伊那小学校の伝統的な学校運営や、麹町中学校ですすむ学校改革などがそうした例として挙げられる。

 でも、こうした教育をするにあたってはまだまだ制約も多い。特に、内部の教員からの抵抗が一番大きいだろう。例えば、髪型や服装を校則で規制しなければ生徒が「荒れて」しまう、などといった発想である。

 もちろん苫野先生からすれば、それを「荒れている」と判断しているのは誰だ、っていう話であり、「金髪だから」学ばないというのは絶対に違う、その生徒はあくまで画一的にされることを拒んでいるのであり、「探究」したり「学んだり」する欲求はある。今いる環境や周りの言葉かけがその子の「探究」や「学びの意欲」を奪っているのだ、と主張する。まあ、至極ごもっともだよね。

 こうした学校が陥っている様々な改革を阻む要因を、苫野先生は丁寧に一個ずつ著書の中で打破していっています。丁寧に優しく。でも、その丁寧な説明だからこそ、何としても実現させねばならない思いを感じることができます。

 

 特に自分はこのページが好きです。

 

もっとも、このようなプロジェクト型のわたしの授業に、全員没頭しているかと言えば、もちろんそうではないと思います。でも、ある意味それでいいとわたしは思っています。これらの授業に、もし強い関心を抱いたなら、この機会にとことん探究を深めてほしい。わたしをどんどん活用・利用してほしい。でも関心がなければ、無理やりやる必要はないし、やったふりをする必要もありません。学びとは、与えられたものをできるだけ省エネしてこなすもの・・・そんなマインドから、とにかく脱却してほしいと思っています。(p.229)

 

 自分も最近はこの矜持でいます。自分の授業に全員が没頭する必要はない。自分の授業が合わないなら、予備校の日本史のテキストを開いてもいいし、自分の授業を別に聞かなくてもいい(こないだの先輩に聞く会で卒業生が塾のテキストを信じて先生の授業は聞いてませんでした、とはっきり言ってたな。でも、自分はそれはそれでいいと思っています)。単位はあげるし、出席は最低限履修オーバーにならなければ、それはそれで全然いいと思っています。

 ただ、やっぱり「受験(選抜試験)」というものから逃れられない「進学校」は、「与えられたものをできるだけ省エネしてこなすものというマインド」からは抜けきれないんだろうなあ。そんなんじゃ全然面白くないんだけどなあ。 

 この「マインドの打破」をめざすのが次の日本史授業、と自分に言い聞かせて頑張ろうと思います。

 

 

 ミライの学校の姿をみることができ、教えることが楽しくなるような本です。現職の先生ほどぜひ読んでほしい本ですね。

資料問題から日本史を考える 共通テストの分析をふまえて

 駿台鈴木和裕先生の講座に参加してきました。その内容のまとめ。

 

1.センター試験と共通テストの違い

  ①共通テストは知らないことを前提に考えさせる

  ②資料問題が増えるとともに、資料から読み取れるものや、史料のそのものの読解にまで踏み込まなければならない。

  ③今までは設問を見なくても解けたが、共通テストは文章が正しい問題が多いため、設問の要求を正しく理解することが要求される。

  ④内容判断よりも時期判断が重視される

 

 一言でいうと、「論述問題の発想に近くなる」

 

 歴史の「本質」が分かっていれば、共通テストになったからといって何も変わらないが、中堅クラスの生徒(そういうことが理解できず、暗記することにこだわる層)には、コツがいる。

 

 

2.共通テストの分析

 ①時代の区分(古代、中世など)を意識した問いが多い

 ②一つのテーマですべてが構成されている。

 ③穴埋めが語句ではなくて文章になった。

 

3.問題の作り方

 正しいものを4つは作りずらいので、2つずつ選ばせる形式がよい。

 ①Xについてaとbから、Yについてcとdから選ぶような形式がつくりやすい。

 ②史料を出して、史料読解と関連事項をそれぞれ1つずつ選ばせる問題なんかは作りやすい。

 

 

 こうした問題の素材は、一人で探すには無理があるし、仮にあったとしても、作成者の史料解釈が大きく反映されるため、問題として成立しづらい。

 だからこそ、「国公立二次試験を素材にするとよい」

 

4.面白い国公立二次試験

 特に名古屋大学の問題がおすすめ。

 (例)2008年

 問1 稲荷山古墳から出土された金石文から、『日本書紀』にみえる「天皇」について、どのようなことが確かめられ、どのようなことは修正を要することが分かるか述べよ。

 確かめられること・・・史料中のワカタケルが日本書紀雄略天皇と一致し、その実在が確認できること。

 修正を要すること・・・当時は天皇ではなく、大王号が使用されていたこと

 

 問2 日本書紀の改新の詔に関する記事のうち、地方行政機構の名称に関する信頼性について、700年の「評」に関する木簡、702年の「郡」に関する木簡、養老令(大宝令)の郡司に関する記述を基に答えなさい。

 

 一次資料である木簡などから大宝令施行以前は行政単位として評が使用され、郡や郡司の名称は大宝令により成立したことが分かる。ゆえに『日本書紀』にみられる郡司の記述は信頼性がない。

 

 2018年①

 「鉄炮記」の現代語訳から、大船が中国船からポルトガル船かを考えさせる問題。

 =史実は中国船なのだが、鉄炮記の史料はどうみてもポルトガル船の根拠となる記述が多い。

 =ポルトガル船が来航していたという根拠となった史料。ただし、これは慶長11年(1606年)の資料なので、二次資料で信憑性が低い。

 =でも、根拠をふまえて叙述せよ、なので、おそらくポルトガル船を根拠として書くのが妥当という問題。

 =史実という常識にとらわれずに書く力が求められる。

 

 

 2018年②

 「東京パック」に載っている重税に苦しむ国民に関する風刺画を題材にした問題。

 

問い この図は戦争に協力した人々や団体を風刺した絵だが、その風刺の内容を図や活字にした文章から読み取り述べよ。

 

 ここでのポイントは、重税に苦しむ国民もまた、戦争に協力したということであり、戦争によって、元老や御用商人は利益を得て、村長や地方官、代議士などは国民を顧みていないため、協力した国民だけがバカをみていることを風刺している。

 

 =ここから、税を払っているからには政治参加させろ、政治要求をさせろ、という、暴動(大正政変など)やデモクラシーへと発展していく。この風刺画を通して、なぜデモクラシーが発展していったのかを読み取ることが出来そう。(かつて大阪大学が2017年に論述でこの辺りを問うている)

 

 

2018年③

 若槻礼次郎の鉄道国有化批判に関する史料から、立憲政友会の国内政策の特徴について説明させる問題

 政府による鉄道敷設などの公共事業を媒介として、地方への利益誘導をおこなって有力者の支持を得ていた

 =この視点は、後の原敬内閣における我田引鉄が最たる例である。

 =さらにいえば、1970年代の田中角栄による列島改造論もこうした発想に基づく。

 =もっといえば、なぜか存在する岐阜羽島上毛高原などの乗客数の少ない駅

 =さらにいうと、リニア新幹線はなぜ路線が曲がらずにまっすぐなのか

  (池上彰の番組でやっていたけど、これはJR東海が政府の支援を得ずに作ろうと計画したためである。このように公共事業、とりわけ鉄道には地方への利益誘導が見え隠れする)

 

 

 なかなか面白いネタをゲットしました。来年度の授業に生かそうと思います。

 

 名古屋大学おすすめ! (今年は鈴木先生いわく失敗問題だったらしい。ちなみに今年はすべての問題が「王政復古の大号令」でした。)

 

読んでいる本

 

はじめての明治史 (ちくまプリマー新書)

はじめての明治史 (ちくまプリマー新書)

 

  東大をはじめとする明治時代を専門とする先生方が、東大で講義した内容をまとめたもの。そのため、歴史学的な研究をふまえつつも、「今でいうと」のような形で書かれているので面白い。

 例えば、教科書の歴史に触れていくと、「幕府が無能だったから滅亡した」と片づけられるのだが、現実はそうでもなくて・・・というお決まりの歴史学者の発想が。

 実際のところは、島津久光らの文久の改革の頃に起きた出来事が大きく、この頃の改革が幕府にとって「痛みを伴う構造改革」だったと説明している。つまり、実務を重視したり、公議を重視したりすることにより、幕府の基盤であった御威光と将軍専制を幕府自ら否定することになった、という矛盾。この辺りが描かれています。

 ここから「自民党をぶっつぶせ」「痛みを伴う構造改革」といったあの人の政策が今の自民党の在り方とどうつながっているのかを生徒に問いかけても面白いのではないでしょうか。

 後は授業の問いとしては、「なぜ、士族反乱の多くが九州で起きたのか?東北地方も同じように家禄が減らされたにも関わらず、反乱が起きなかったのはなぜか?」なんかは調べるには面白そうだよね。この答えもこの本にあります。

 また読んでないけど、個人的には「華族」の章が面白そう。