青い森のねぷたいブログ

青い森です。東京の某所で教職についています。教職に関することを主につぶやいていきます。

社会系教科教育学会

 今年の社会系教科教育学会が始まっています。僭越ながら自分も2年ぶりに学会発表に発表資料を掲示しております。歴史教育における「概念」をテーマにした論考+実践です。もしよければ見てもらえたらと思います。

 

 土曜日にはシンポジウムが開かれました。高等学校の科目再編を踏まえて、小中高大の先生方が、科目の一貫性について発表をされていました。

 社会系教科教育学会らしく、テーマとしては「探究」で貫かれていて、内容としてはかなり興味深いものとなっていました。一方で、科目の一貫性を考えた時に、「探究」だけでとらえてよいのか、ということはやはり疑問に感じました。

 例えば、小学校では問題解決学習がまだまだ主流だと思います。そんな中で、「科学的探求学習」がどこまで受け入れられるのかは、不透明だし、高等学校の実践は、C3フレームワークIDMを使っていましたが、別にIDMの枠組みにはめなくてもいいんじゃない、と感じたりもしました。そして、高等学校の科目再編を考えた時に板挟みになるのが中学校。しかし中学校は中学校で、「社会は複雑であることを知り、分からないという状態をわかる」、これは面白かったですねえ。ただ、小学校や高等学校とは一線を画していたかな、と。

 今回のシンポジウムでは、「探究」がテーマとなったことで、梅津先生や山田先生が、アメリカの新社会科期に関する言及をされていました。自分もつまるところ、今回の学習指導要領をきちんとやるのであれば、アメリカの新社会科期に大きなヒントがあると考えており、その再評価の意味も込めて、今回の発表資料を作成しています。そういう意味で、梅津先生や山田先生の指摘は、まさしく渡りに船というか、そう、そうなんだよ、結局そこに行きつくよね、と感じました。

 ただし、今の社会科はもっともっと多様です。今回のシンポジウムでは、論争問題学習の視点はなかったですし、生徒の学習文脈やレリバンスといった視点もありませんでした。ここがないと、これからの社会科を論じていくのは、片手落ちというか、その視点だけでいいの?ガラパゴスにならない?という感じを抱いてしまいました。

 今回はフロアからの質問をあまり受けていないかったので、その部分が深まっていませんでしたが、もっと多様な部分があってもよかったのかな、と感じました。

 

 

 いずれにしても、発表されている資料はバラエティに富んでいますので、これからじっくり読んでいこうと思っています。