青い森のねぷたいブログ

青い森です。東京の某所で教職についています。教職に関することを主につぶやいていきます。

2021-01-01から1年間の記事一覧

真正の評価とは

真正の評価――テストと教育評価の新しい科学に向けて 作者:ハロルド・バーラック,フレッド・M・ニューマン,エリザベス・アダムス,ダグ・A・アーチバルド,ティレル・バージェス,ジョン・レイヴン,トマス・A・ロンバーグ 春風社 Amazon 本書は、1992年にハロル…

「○○という学力だから無理」という考えについて

今年から自分は、偏差値的に言えば「中堅上位校」と呼ばれるところに勤務している。この学校における文脈は、学ぶこと自体が苦ではないし、暗記することもそれほど苦だと感じていない。しかし、学ぶこと=暗記すること・教科書を書き写すこと、と考えている…

大学院生時代に経験した「社会の見方考え方」を活用した授業

現在の学習指導要領(高校は来年度以降の学習指導要領)では、「社会的事象の見方・考え方」を育てることが重要視されています。しかし、社会科についてはどうしてもコンテンツありきの授業がまだまだ主流になっており、そもそも「見方・考え方」を活用させ…

 最近買った本

自由と国家―いま「憲法」のもつ意味 (岩波新書) 作者:陽一, 樋口 岩波書店 Amazon リベラル・デモクラシーの現在 「ネオリベラル」と「イリベラル」のはざまで (岩波新書) 作者:樋口 陽一 岩波書店 Amazon 「4つの89年」に興味を持って購入。「4つの89年」…

 ねぶた祭りを考える2021

ノーナレというNHKの番組を見ました。主人公は青森ねぶた師の諏訪慎さんの娘さん。2020年、新型コロナウイルス感染拡大により、ねぶた祭りは中止。そして2021年、今年も感染拡大はおさまらず、結果として中止。諏訪さんの大型ねぶたは制作されませんでした。…

今月買った本

学校ってなんだ! 日本の教育はなぜ息苦しいのか (講談社現代新書) 作者:工藤勇一,鴻上尚史 講談社 Amazon 社会で求められている人材が変わっている中で、そこに気づいて徹底的に実践されている工藤勇一先生と、鴻上尚史さんとの対談本。 工藤先生の本をかな…

「見通し」を持った社会科学習の重要性

雑誌『社会科教育』10月号の特集が、「単元を貫く学習課題&授業プラン」。この号の特徴は、実際の「問い」や使用している「資料」が単元計画という形で、具体的に示されているところにある。これにより、先生方による追試可能な形態となっている。 (恥ずか…

 学ぶことを意味づけた歴史学習とは?

学びの意味を追究した中学校歴史の単元デザイン 作者:草原 和博,渡邉 巧 明治図書出版 Amazon 本書は、平成29年度版の中学校学習指導要領をベースとした上で、「歴史のを学ぶ意味を追求することのできる歴史学習とはどのようなものか」を具体的な単元で示し…

論文紹介

階層間のエンパワーメントギャップの拡大に学校教育は何ができるか(一) -困難校で拒否される傾向にある主権者教育- (渡部竜也、「学藝社会」37号、2021)

市民性×歴史教育のセミナーに参加しました。

31日(土)、I-HEAPに参加されている先生方を主催とした、「市民性教育としての歴史授業をどのように評価するか」のセミナーに参加しました。こうした研究が自宅で見られるのは、とてもいいことだな、と感じています。 特に登壇者の多くが、自分が所属してい…

全歴研の分科会を視聴しました。

7月28日(水)に、全歴研の第5分科会「教科の枠をこえて、どのように歴史を学ぶのか」に参加しました。 歴史授業にアクティブ・ラーニング的な要素を取り入れた実践の先駆者である皆川雅樹氏が主催した分科会。全歴研も学習指導要領が改訂されることを受け、…

6月・7月に買った本

ここ最近は、あまり本を読めていなかったのでようやく買った、という感じですね。 真説 日本左翼史 戦後左派の源流 1945-1960 (講談社現代新書) 作者:池上彰,佐藤優 講談社 Amazon 歴史をやっている人なら読んでほしい一冊。コロナ禍後の格差拡大に…

5月に買った本③

ここ数日で2冊の教育に関する本を買った。 最新の脳研究でわかった! 自律する子の育て方 (SB新書) 作者:工藤 勇一,青砥 瑞人 SBクリエイティブ Amazon 一つは、元麹町中学校校長の工藤勇一先生の本 やりすぎ教育: 商品化する子どもたち (ポプラ新書 た 10-1…

5月に買った本②

なぜ歴史を学ぶのか 作者:ハント,リン 発売日: 2019/10/18 メディア: 単行本 歴史学の立場から、「歴史」にいかにアプローチできるかを叙述しているもの。歴史は解釈であるからこそ、フェイクニュースの叙述も「歴史」なんだよね。そうした「歴史」に対して…

5月に買った本

どうしても頑張れない人たち―ケーキの切れない非行少年たち2―(新潮新書) 作者:宮口幸治 発売日: 2021/04/19 メディア: Kindle版 ケーキの切れない非行少年たちの第2弾。日本では「頑張れば報われる」、「頑張れば応援する」ということがよく言われるけど、…

4月になりました

今年度異動となりまして、再び高等学校へ戻っております。 そして、6年ぶりの担任、高校の担任となると前の前の学校以来なのですが、ものすごく楽しくやれております。 そして、土曜授業が隔週、しかも部活は副顧問なので、土日が連休とかマジで神っています…

3月に買った本②

歴史をする: 生徒をいかす教え方・学び方とその評価 作者:リンダ・S・レヴィスティック,キース・C・バートン 発売日: 2021/03/24 メディア: 単行本 バートンとレヴィスティックの「Doing History」の抄訳本。すでに「コモングッドのための歴史教育」が翻訳さ…

3月に買った本

地理授業づくり入門: 中学校社会科での実践を基に 作者:正剛, 荒井 発売日: 2019/09/22 メディア: 単行本 本当は地理が苦手な先生のための 中学社会 地理的分野の授業デザイン&実践モデル (中学校社会サポートBOOKS) 作者:吉水 裕也 発売日: 2018/08/09 メデ…

2月に買った本②

川端裕介の中学校社会科授業 見方・考え方を働かせる発問スキル50 作者:川端 裕介 発売日: 2021/02/17 メディア: 単行本 実際の授業を考える上での発問スキルが丁寧に載っています。おすすめ 高校社会「地理総合」の授業を創る 作者:井田 仁康 発売日: 2021/…

2月に買った本

明治十四年の政変 (インターナショナル新書) 作者:久保田 哲 発売日: 2021/02/05 メディア: 新書 まだ眺め読みしかしてないけど、大隈と伊藤だけじゃなく、福沢諭吉、黒田清隆、井上毅などの登場人物もふまえながら丁寧に描かれている。改めて、明治十四年の…

いろいろと更新していきます。

社会系教科教育学会で読んだ論考① 歴史的エンパシーの実証的研究 (石井天真) 歴史的エンパシーとは、過去を異文化ととらえ、異質な他者としての過去の人々の思考や感情を理解を目指す学習や資質能力のことである。この研究では、生徒があらかじめ持ってい…

1月に買った本

戦争は女の顔をしていない 2 (単行本コミックス) 作者:小梅 けいと 発売日: 2020/12/26 メディア: Kindle版 独ソ戦に従軍した女性たちの話をまとめた原作の漫画化第2巻。今回も、人々の視点から描く戦争の経験というのがありありと伝わってくる内容になって…

奥山研司「歴史学習における解釈学習のあり方」(金子邦秀監修 『多様化時代の社会科授業デザイン』より)

学習指導要領の改訂により、史資料から歴史を解釈する学習がクローズアップされている。 ただし、気を付けなければならないのが、生徒の自由な解釈を認めすぎると、歴史相対主義を招き、子どもたちの「事実」「史実」を探究しようとする意欲・姿勢を損ね、探…

社会科教育を考える2021(主体的に学ぶとは?)

毎年、この時期だからこそ文章化できている、社会科教育(歴史教育)に関する私見。ただし、自分の勤務校に馴染めば馴染むほど、社会科教育を忘れてしまいがちになってしまいます。 そんなわけで、2021年に個人的に思っていることをつらつらと書いていきたい…