青い森のねぷたいブログ

青い森です。東京の某所で教職についています。教職に関することを主につぶやいていきます。

社会認識教育ゼミOB会3

 そして、これとは別に、自分の同期と後輩たちで行った、来年度の紀要に掲載予定の、共同研究発表も行いました。2年前にうちの大学で日本社会科教育学会が行われた時に発表したやつです。内容としては、テストの点数と様々な質問との相関関係をみるもので、これによれば、社会科を好きにさせること=テストでいい点数がとれること、ではなく、学習方略を知っていたり、あるいは学ぶ意図が明確であるほど、テストでいい点数が取れる、ということを証明したものです。
 また、同期が実際の勤務校で行っている「人口から読み解く日本史」という授業紹介もありました。日本の人口は、弥生から奈良にかけて爆発的に増え(渡来人が原因らしい)、その後、鎌倉時代には減少(気候変動の激しさにより、冷夏や干ばつが多かったらしい→食糧不足)、その後江戸時代に急増し、大正時代に5000万人に。大正時代にはかなりの人口過剰となり、移民政策がとられるたり、海外に領地を獲得しなくてはならない状況になる、というところも、こうした人口の変化を見れば、その原因が見えてくるという授業です。
 これもこれで面白い。また、最近では人口減少社会、消滅自治体などが話題になっていますから、人口という観点を今一度考えなくてはならないですよね。



 さらに、W先生の今後の構想もお聞きしました。個人的には貨幣の授業のような、歴史で探求主義ができるようなハウツー本を出したいとのことで、それは個人的にはとても面白い話だな、と思って聞いています。いつになるかわかりませんが、協力していきたいと思います。
 来年度も開催が予定されているので、それまでに自分の授業にさらに磨きをかけていきたいと思います。




 ちなみに今回もうひとつ思ったのは、自分も教員生活が5年目になって、社会科の授業スタイルにはいろいろな考え方が存在するけれども、まずは、科学的探究主義の授業が作れないと問題外だな、と。W先生もそうしたことを言っていました。何だかんだで、探求主義的な手法があれば、そこからあれこれ自分で調べようとするし、授業もそれで面白くなる、自分は今でも内容先行主義ですし、W先生もかつてはそうだったみたいですが、それは違うのではないか、と最近思っているみたいです。確かに2つ下の後輩を見ていれば、手法を学べば、あとは勝手に自分で探求し、これは面白いっていう授業作ってくるもんな。
 つまり、教師教育じゃないけど、社会科教師のライフプランを考えたり、教師教育を考える上では、まずは科学的探究主義の手法を学び、それで授業が作れることが第一前提なんだろうな、と、個人的には思ったり。この考え方は自分も賛同できる部分があります。
 ただ、それだけじゃだめだ、っていうのも同時にあります。たとえば公民の授業を考える上では、価値の問題は避けて通れないわけですし、それを避けると無味乾燥の、教授になってしまうわけですよね。現に今、自分は公民の授業をもっていて、やっぱりきついもんね。そこはまだまだ修行しないといけない部分だな、とそう思うわけです。




 とにもかくにも、今年のOBゼミはとてもよかった。来年も何か授業をもっていけたら、と思います。