青い森のねぷたいブログ

青い森です。東京の某所で教職についています。教職に関することを主につぶやいていきます。

教育雑記

 最近は家にいてもっぱらゲームをやっていたり、テレビを見ていたり、時々気が向いたら世界史の勉強したり、ゼミのしおりを無駄に作りまくったりと、教育とはほぼ無縁の状態が永らく続いていました。だいたい図書館が閉まったせいで、新聞を見なくなっちゃったからね。図書館閉館は学習の面では本当に痛い。
 そんな中にあって、この前の土曜日は歴史学の研究交流会、そして、今日は大学の特別講演として尾木直樹氏が講演に来ていたので聞きに行く。以下、思った事をつらつらと書きます。


 まず、どちらの方も信頼っていう言葉をおっしゃっていましたね。土曜日の篠塚先生は「人の出会いはファーストインプレッションが肝心。だから、そこでいかにインパクトを与え、信頼を勝ちうる事ができるかが大事」だと言っており、具体的には保護者会でのお金の話を題材にして、たった21円で作られている1万円札が1万円としての価値を持っているのはなぜか、それは我々がその1万円札を1万円という価値として認めている、信頼しているからである。このように、日本社会というのは信頼関係で出来ている社会であり、それは学校もまた然りである。学校・地域・保護者・子ども、この四者の信頼のいずれかが欠けてしまっても学校というのは経営が成り立たないんだ、っていう話をしていました。難しい話ですけど要は「多少大口をたたいてでも、信頼してほしいという気持ちを伝えることが大切である」ということでしょうか。


 また、今日の尾木先生の話は、いろいろ話をしていましたが、簡単にいってしまえば人間にはそれぞれ同質のモチベーション(やる気)があって、そのやる気を引き出していきつつ授業をするのが学校教育であり、塾とは違うところである、ということでしょうか。そうした上で人間性というのを大切にしていかなくてはならないのだ、ということですね。
 まあ、これを教育学の専門用語ではヒドゥンカリキュラム(潜在的カリキュラム)というのですが、学校教育はまさにこの子どもの潜在性を顕在化させることに長けていなければならない。いま国がやろうとしていることは、学校教育の塾化であり、それではいい教師は育たないよ、っていうことでした。
 具体例として先生のゼミの話や、習熟度別学習というのは学力向上のためには意味がないという結果が明らかになった、だとか、さすが教育評論家という感じで大方同調して聞いていました。


 話を聞いていろいろ今の政府のやり方には問題があるなあ、っていうのが見えてきたので非常に貴重な体験だったと思います。また、土曜日の話は現場の先生からもっと踏み込んだ具体的な話が聞けたので本当によかったです。結局教師に必要な資質とは、相手の反応をじっくり見て、それに応じて反応することの出来る人間力なのだということを痛感すると同時に、自分にはその力は備わってないなあ、ということも感じました。