■
そしてかつていきつけだった本屋で、この本を購入。
- 作者: 堤未果
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2011/02/19
- メディア: 新書
- 購入: 1人 クリック: 108回
- この商品を含むブログ (15件) を見る
帰りの電車で読んで一人でにやけていました。
アメリカの兵隊の作り方。凶悪な敵、被害者意識、愛国心、この3つが戦争を作るための3つのステップ。そして、国民に愛国心を強制させ、国家の思うがままの法律を作らせる。その法律が、例え国民の自由を奪うものであろうとしても、「正義」と「愛国心」でそれを強制し、従わないものには「非国民」のレッテルを貼る。
こうして国家が国民を思うがままにコントロールできたアメリカは、法律によって国民の表現の自由を奪い、新自由主義を強行して、教育に市場主義を導入し、格差を容認。結果、落ちこぼれた人間を兵隊にしていく。しかも、落ちこぼれだと言われている人間ほど、愛情に飢えているから、うまい話にコロッと乗っかってしまう・・・。
愛情に飢えている
うちの生徒じゃん
そうすると、急に笑えてきたんですよね。そうか、彼らが社会の波に流されて、不幸な人生を歩んでいく典型事例なんだな、それに気づかないと・・・って思うと、本当に笑えてしまいました。
しかも、アメリカがやっていることは、今日本がやっていることと変わりない。実際植民地でしょ?って言われたら、「そうかも」って思ってしまうほどだ。
特に、アメリカで教育の市場化が進んでいる現状は、さすがにルポを書いているだけあって克明。教育の市場化がいかに社会を腐らせているか、が本当に分かりやすく、淡々と描かれています。
僕は、うちの生徒に、「お前らは本当にその日暮らしだな」とか「言い訳が多い」とかよく言うのですが、
「その日暮らし」=成果主義の結果だし、「言い訳が多い」=上っ面のことしかいえない、夢を追うにも社会や環境がそれを許さない結果だと思うので、結局悪いのは、政府だし、その政府をのたばらせている大人たちなんだよね。それとそれに目をつぶっている僕を含めた教師たち。
でも僕は、「だからしょうがない」、「大人が悪いんだから、てめーらで何とかしろ」、そんな高校生だったら、そいつを張り倒してやるつもりです。「その口先だけの性格をてめー自身で直すことが先だろ」、そう思うわけです。
もはや教育にも社会にも未来はありません。目先の結果=テストの結果や進学実績が絶対となりつつある現状の中で、真に人間教育をすること、これが僕の教育の目標です。それを東京都の教員がじゃまするようだったら、僕は東京都の教員をやめるだけの話だし。子どもにはかわいそうだけどね。その覚悟だけはここに刻んでおこうと思います。
とにかく今日の試合と、主顧問の異動と、この本を読んでそう思いました。