青い森のねぷたいブログ

青い森です。東京の某所で教職についています。教職に関することを主につぶやいていきます。

続き

 昨日紹介した古市さんの本の、ももクロとの対談はかなりのインパクトがあるみたいね。でも、ネットでは「反日だ」だってさ。古市さんの本は、結局、そうやって「反日or親日」みたいに二元論でくくられて、「戦争」というものに向き合ってこなかった日本社会にメスを入れているんだと思うね。それを語るための素材がたまたま日本では確実に影響力のあるももクロだっただけで。
 何でもそうだし、自分のその気があるけど、二元論で語って敵を攻撃して、それで満足するって何か違う気がする。特にアジア・太平洋戦争の問題に関しては。



 あと、ももクロとの対談では、現在の歴史教育に関する問題点が書かれてたね。縄文時代のことやアウストラロピテクスのことは覚えているけど、近現代のことについては全く知らないって。
 それで今、東京では日本史が必修化になっているわけだし、江戸から東京へなる独自教材を作っているわけだし。
 ただ、教科を必修にしたところで、結局はそれを教える教師の問題。少なくとも今みたいに、特にアジア・太平洋戦争周辺の問題が、変に語ることのできない現状じゃあ、そりゃあ、池上彰のDVDでも見せた方がよっぽど理解しやすいし、楽。
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 僕は歴史の授業に関しては、最低限のアクセス(それは教科書であるし、池上彰のようにきちんと説明するタイプの解説本みたいなもの)をまず保障することが大切で、そこから先は、生徒の感覚に任せていいんじゃないか、って思う。
 ももクロの対談をみても、うちの生徒の感覚をみても、戦争はいけないことだと分かっているし、自分が戦争に駆り出されるのは嫌だと思っている。それが極論、憲法改正によって実現する可能性があるっていうロジックで攻めていけば生徒の多くは護憲派になるだろうし*1
 結局、興味を持たせるには「当事者意識」なんだよね。でも、戦争で「当事者意識」持たせるって戦争するしかないわけだし、そんなの無理だし嫌だしやりたくないじゃん。
 ってことは、戦争を知らない、歴史を知らないっていうのはある意味、日本が「平和である」ことの証左なのかもしれないよね。ももクロちゃんたちの意識がある意味、今の若者の意識っていうか。
 歴史教科書で、戦争があって争いがあって、二度と起きてほしくない、っていう意識が、とりあえず現段階であれば、大丈夫なような気がする。もちろんこれは、現段階であって、この先大丈夫とは言い切れないけど。




 そんなことを思いつつ、9月から始まる3年生の日本史の教材研究をしています。9月中旬からいよいよアジア・太平洋戦争の話をします。1年間で2単位ものの日本史Aで、4ヶ月で幕末から大正時代まで無理やりやったので。今年は全部終わりそうな気がします。

*1:もちろん、このロジックで教えるのは少し極論すぎるので、控えてはいるけど