青い森のねぷたいブログ

青い森です。東京の某所で教職についています。教職に関することを主につぶやいていきます。

マンガで読む蟹工船

 上越旅行の際に、行きと帰りで2回も読んでしまいました。やっぱりマンガは読みやすくていいです。
 本当は文庫本を買おうとも思いましたが、将来教材として使えるならマンガかな、と思い、マンガを買いました。正解だったと思います。
 最近、小林多喜二蟹工船が人気らしいです。何でも蟹工船の環境が、現在の環境と大いにリンクしているからだとか。明治〜大正期のように、暴力などで済ます方法は減ったにせよ、人をコマだと思って扱う感覚は、現代との共通点なのかな、とも思います。
 そんな中で彼らは最後には組合を組んで勝利をつかむわけですが、この個性化してしまった現在において、組合を組む力、そして考え方は日本人が失った考え方であり、これがないからこそ、秋葉原事件のような突発的犯罪と、ブログで自分の存在を伝えることがその方法に変わっているのかなとも思います。


 社会をマクロな(会社側・経営の)視点からみると、人間は一種のコマのようなものです。しかし、ミクロな視点(人間は一人の“個”であり、そこには列記とした権利(人権)が存在する)を欠けてしまってはいけないのだと思います。社会科はミクロ的な視点をより重視する傾向があり、マクロな視点で見ようとすると、「冷徹な、人権をなんだと思っている」といわれるかもしれませんが、長期的なカリキュラムの中では、ミクロ・マクロ、両方の視点が必要なのだと思います。近代資本主義がいかに誕生し、そこにいかなる病理を生んだのか、は日本近代史を学ぶ上では避けて通れない問題です。その病理をこのマンガは分かりやすく示していると思います。おすすめです。

蟹工船 (まんがで読破)

蟹工船 (まんがで読破)