青い森のねぷたいブログ

青い森です。東京の某所で教職についています。教職に関することを主につぶやいていきます。

 今日は外に出ず。18時ぐらいなって外に出たら豪雨にあい、今読んでいる本が濡れてしまった。しかも何をするでもなくとっとと帰ってきたからとんだ無駄足。おまけに帰ってきたら雨が小ぶりになったし。
 最近は電車に乗る機会が多いので、本を読むようになりました。今は山田昌弘氏の『希望格差社会』を今更ながら読んでいます。これ、読めば読むほど今の社会を大きく反映していますね。今は中央大学に行きましたが、去年まではうちの大学にいたんですよね。山田先生はきっと「高校までは学力が高いのに、卒業した時にはどうしてフリーターになる人が多いのか」といううちの学生の現状を見て、この本ができたのでは…というのは僕の勝手な予想です。
 現実に就職して、社会の現状を知っている人には、社会というものを天から見るような(システム的に見るような)この本は、「これは当たってるわ」と感じてしまうのではないかと思います。しかもそんなに難しくない上に、社会の基本情報が書かれているので、これは今更ながら、いや、格差が顕在化しだした今だからこそおすすめです。


 後は、この前までは[よのなかのルール]を読んでました。これは和田中の元校長、藤原和博氏と宮台真司氏の共著の本です。
 内容としては、学校では絶対に教えない[よのなか]を、そのまま見せています。例えば接待はなぜ必要か、とか、マイホーム計画を立てるとか、性転換・離婚などなど。
 その中でも一番ぐっときてしまったのは、宮台氏の終章ですね。何か他のやつはなかなか過激だからあんまり読みたくないのですが、これは抑え気味で、でも時代を的確についた内容で、電車の中で読みふけってしまいました。これもさっきの希望格差社会に近い内容で、かつもっと個人のレベルに焦点を当てて、具体的には成績優秀・頭脳明晰・あらゆるものを手に入れることができた人間が自殺してしまう話から始まっていきます。才能はあっても、「生きる意味」を見いだせない[よのなか]の現状を描き出していて、なかなか面白かったです。

人生の教科書 よのなかのルール (ちくま文庫)

人生の教科書 よのなかのルール (ちくま文庫)


 高度成長期以降の低成長時代に入り、生活は豊かになったものの、人々が「幸せ」に生き抜くくなった現代社会。「確かに」と感じている方は上の2冊をぜひ読んでみてください。心がスカッとするかもしれません。
 そして学校現場は残念ながら未だに高度成長期の幻影(立身出世主義)が蔓延しています。進学校はそれでもいいかもしれませんが、残念ながら多くの人間が「成功」を手にできるわけではありません。ニーズによりますが、こうした現代社会の現状も、社会科教師としては押さえておいて、引出しの中にしまい、必要に応じて出していけるようにしておきたいな、と思っています。