青い森のねぷたいブログ

青い森です。東京の某所で教職についています。教職に関することを主につぶやいていきます。

 今日は映画の試写会に行ってきました。といっても、うちの大学でやっていたやつです。
 見た映画は「ブタがいた教室」(11月1日から公開)。この映画は、大阪の小学校で実際に起きた出来事で、妻夫木聡演じる新任教師が、学級で命の大切さを知るためにブタを飼い、育て、そして最後には食べようと計画する。しかし、そのブタを「Pちゃん」と名づけ、育てていくことで子どもたちがブタに愛情をもつようになる。そして、卒業が近づくにつれ、彼らは「Pちゃん」をどうするかを本気で考える。そして彼らが出した結論は…。的な話。


 この話題は4月か5月ぐらいにも授業でドキュメンタリーを見たっていう話をしましたが、今回は映画の試写会、それに加えて映画を撮った監督、そして実際に授業をした黒田恭史先生(現在は大学の准教授)がゲストとして登場し、ディスカッションをしてくださいました。


 映画の内容はそれ以上書くと面白くなくなるので書きませんが、感動します。涙こらえるの必死でした。


 特に試写会後のディスカッションが興味深かったです。映画はほぼドキュメンタリーそのままで、だからこそ感動したのですが、その秘訣を監督さんが話していたり、黒田先生の一言一言が重かったですね。特に「教師は最初にこじんまりすると、そのこじんまりとした枠から抜け出せなくなって、やる気を失っていく。だから、最初に必死で頑張れ」って言葉は大きかったですね。


 監督さんにも黒田先生にも共通していたことは、失敗をさせない、現実を見せない教育ほど悪い教育はない、っていうことですかね。それは僕も常日頃から感じていることで、特に社会科の教師であればその意気をもって勉強しなきゃなって感じますね。


 あと映画監督はやっぱり独特の感性を持っていますね。表現力や創造力のある人ほど、学校にはなじまない、ってことは、学校がその表現力や想像力を奪っているということを、監督は声を大にして言っていましたね。


 この実践は確かに課題は多いです。本来「家畜」として飼うはずの豚に「Pちゃん」という名前がついたことによって、「家畜」ではなく「ペット」となった。それゆえ、彼らにとっては「Pちゃん」という豚は「生きながらえてほしい」存在となっていった。それゆえ例えば豚肉が食べられなくなったり、いろんな弊害は生まれました。しかし、「Pちゃんをどうするか」という問題は、そこにいた子どもにとっては切実な問題であり、だからこそ彼らは徹底的に話し合う。その話し合いを通じて、彼らは価値観の多様さと、問題には答えのないものもあるということを学んだのではないかなと思います。その意味ではこの実践の意義は非常に大きなものだと思います。


 果たして6年2組の出した結論はどんなものだったのか、その過程に至るまでに6年2組は何を悩み、何を話し合っていったのか、その一つの答えは、ぜひ劇場に足を運んで見てください。正直、おすすめです。


 映画のリンクhttp://www.butaita.jp/
 

豚のPちゃんと32人の小学生―命の授業900日

豚のPちゃんと32人の小学生―命の授業900日