青い森のねぷたいブログ

青い森です。東京の某所で教職についています。教職に関することを主につぶやいていきます。

ねぶたも近いので

 陸奥新報のネット版、「北方史の中の津軽」に、百万遍(数珠送り)とネブタの話がありました。
 http://www.mutusinpou.co.jp/index.php?cat=20



 その中でも特にこの文章が印象的でした。

 ネブタ・ネプタ行事のルーツは、ネブタ本体に夏季の睡魔を託して川や海へ流してしまう習俗だといわれている。
 県内各地のネブタ・ネプタ行事の多くは都市祭礼化し、観光化されているが、そこに含まれる祭りの要素そのものは、日本海沿岸の各地に残る様々な習俗と、共通する部分がある。なかには「ねぶたはその本体に、病人の服など汚れたものを載せて川に流してしまうものであり、1年間壊さずに保存しておくと災いを招く」という伝承を残している地域もある。


 もともとねぶたは「ねぶり流し」と呼ばれ、上にもあるように、夏の農業が一休みするときの「眠気」(津軽弁で「ねぷてぇ」)を流す、っていうことで「ねぷたい」→「ねぷた・ねぶた」なわけですね。うちの日記のタイトルはそれですが。
 ねぶた(ねぷた)はもともとは悪い事を川に流すためのもの、なわけです。今は環境の問題があるのでそれはできませんが、下手に保存しないのが原則です。



 ですが、この「ねぶた・ねぷた」には近年、都市祭礼や観光という要素が付着することにより、民俗学的意味付けよりも、社会学的意味付けの方が強くなっています。これは雑感ですが、「祭り」要素が時代を経ることによってその性格を変容させたといっていいでしょう。つまり、「祭礼」としての要素から、「楽しむ」ための要素へという変貌でしょう。
 これには地域社会の質的変化(共同体感覚の欠如)、そして観光化による影響が大きいでしょうね。
 人々はもはや祭り本来の意味(災厄への対応)ではなく、変容した意味付け(市民参加・楽しむための祭り)を享受しながら、祭りと向き合っているわけです。



 そういった意味で、本来の意味をもった祭りは、今ではごく限られた一部の地域でしか見る事ができず、後は観光と結びついた、単なる「まつり」を単に楽しんでいる(日頃のことを忘れている)といえるのではないかと思います。



 そんな観光色たっぷりのお祭り。つがる市のねぶたは7月23日〜25日、五所川原立佞武多は8月4日〜8日まであります。ぜひ見に来てください。