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今日はこの本を読破しました。
- 作者: 中野剛志
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2011/03/17
- メディア: 新書
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地理でTPPをやっているので、参考になればと思って買いました。
ぶっちゃけ地理では、農業と工業に焦点をあてて行うので、教材としてはあまり役立ちませんが、大枠としてはなかなか面白かったです。
特に、日本経済が冷え込んでいる根本は、「デフレ」にあり、この「デフレ」を解決しないことには、TPPのような自由貿易に参加しても意味がないし、むしろ自由貿易は、「デフレ」をさらに促進するのでさらに経済が悪化しますよ、という論の持っていく方法は、「なるほど!」と思いました。
また、「デフレ」とは、需要<供給という関係なので、デフレ脱却のためには、需要を増やすことが重要である。だから筆者は、ためらわずに公共投資をして、需要を増やすことの重要性を説いていますが、まあ、今の「デフレ」は、我々の生活や精神性に深く根付いているので、政府が何とかしない限りは難しいですよね。
ただ、今のメディアが、公共投資=無駄遣いというネガティブ・キャンペーンを貼っているから、ケインズばりの「大きな政府」「総需要」に似た考え方を、日本政府はとれないだろうなあ。
TPPというよりは、日本経済や外交が抱えている根本的な問題が理解できたような気がしました。そんなTPPの背後にあるもっと大きな社会問題(トゥール明図式でいうところのB(Backing))を理解したい方にはおすすめです。