青い森のねぷたいブログ

青い森です。東京の某所で教職についています。教職に関することを主につぶやいていきます。

現代史をどう教えるか③〜1950年代の闘争をなるべく「感情論」抜きで教えたい

 教材シリーズも3回目。ここからは、長文なのでご容赦。
 今回のテーマは、1950年代のいわゆる「闘争」をいかに教えるか、です。一番大きなところは「安保闘争」だと思いますが、ここでは、東京で起きた「砂川闘争」を取り上げたいと思います。
 砂川闘争とは、1950年代に東京都立川市砂川地区での、米軍基地拡張に対する住民の反対運動のことをさします。
 いわゆる「闘争」の問題については、主に左翼系の先生方が好んで行う実践ですので、お前もそれか、と言われそうですが、



 僕は個人的には、「闘争」を感情論で教えたくないし、それが民主主義の根幹だ、って押し付けるのもなんか違うと考えています。



 こんなこと書いたら怒られそうですけどね。


 でも、日本史Aの教科書の中には、いわゆるアメリカの世界戦略を政府がどんな理由があれ賛同し、戦争が再び身近に迫りつつあった現状の中で、市民がいかに行動したのか、それぐらいはせめて教えたいな、と思いました。



 そこで映像として使ったのが、中央大学の大学生が作成した「多摩探検隊」の第100回目です。
 URLはhttp://www.tamatan.tv/


 ここでは、砂川闘争から57年経った現在、その闘争に参加した人達の記憶をまとめたもので、10分という短いものだったので、それをちょっと拝借して授業をしました。
 この映像では、砂川闘争の概略が描かれているとともに、テーマとして通っているのは、「昔からある土地を守りたい」「地域を国家の都合で破壊して欲しくない」という願いのような気がします。
 それは、東京に来て、もはや地域の紐帯を肌で感じることができていない自分では、到底彼らに教えることができないものです。
 だからこそ、映像で示すことに意味がある。そして、生徒が好きに考えてくれればいい。考えなくてもいい。せめて1950年代という時代を少しでも理解してくれればと思い、見せました。



 授業では教科書で内容を確認してから見せたので、あんまり考えさせる時間は設けませんでした。なので、彼らが何を考えたかは今となっては闇の中です。
 ただ、1950年代の闘争を教える上で、使用価値は高いかと思います。おすすめ。