青い森のねぷたいブログ

青い森です。東京の某所で教職についています。教職に関することを主につぶやいていきます。

教員免許「国家試験」化を検討課題に 再生会議(朝日新聞 1月23日)

 政府の教育再生会議が24日、安倍首相に提言する第1次報告で、教員免許を「国家試験」化することが検討課題に盛り込まれる方向となった。教員免許を巡っては、現行の終身有効制をやめて更新制を導入するため、教員免許法の改正案の通常国会提出が検討されている。更新制に加えて国家試験化となれば、教員養成への国の関与はいっそう強まることになり、議論を呼びそうだ。

 教員免許の国家試験化は、今後の検討課題のうち、「教員の質の向上」対策の一つとして盛り込まれる見通しだ。

 教員免許を得るには、大学の教育学部で教職課程をとるのが通例。このほか、都道府県が行う教育職員検定や、文部科学相が委嘱する大学が行う教員資格認定試験がある。

 再生会議では、教員養成課程をもつ大学を卒業生の「質」で事後評価し、合格率が低調な場合は教職課程の認定を取り消す措置の導入も検討されているという。

 一方、文部科学省は早ければ08年度からの免許更新制導入を目指しており、教員免許のデータベース(DB)化や更新に必要な講習のあり方を検討している。

 更新制に国家試験が加われば、国による教員の一元的な管理が強まることになり、国公私立の別なく教員養成をゆだねられている大学側や教職員組合からの反発も予想される。

 このほか、教員の資質向上策として、第1次報告では(1)厳格な修了認定と分限制度の活用により、不適格教員に厳しく対応する(2)指導力不足教員には研修を優先させ、それでも改善されない場合には免許状を取り上げる(3)新卒の教員は1年間の試用期間後に資質や適格性を厳格に判断する――なども盛り込まれることになりそうだ。


 まず、断っておきたいのは教育再生会議というのは、あくまでも安倍総理の私的な諮問機関であって、権限そのものはそんなに強くありません。現在の教育問題・教育行政を強く刺激する機関であると私は認識しています。その上で以下、批判を。

 まあ、まずふざけんなって感じ。国家試験ってことは、弁護士のように試験でその人のよしあしが左右されるっていうこと。確かに教員採用試験っていう点数で採否を決める試験はある。だけど、教員免許を国家試験にすればそれが有名無実化することになる。
 次に、文部科学省が出している方針と、この国家試験化は著しい矛盾をはらんでいる。現行の学習指導要領では「生きる力」をベースに、「総合的な学習の時間」に見られるような生徒をあまり点数化しないことをよしとしている。また近年、絶対評価が教育界に導入される事によって、明確な点数化というものも否定されつつある昨今、点数で資格の採否を決めること自体、間違っているのではないか。ただでさえ、人格重視のご時勢に、試験で決めるなんてもっての他である。
 それから、教員免許を国家試験にするということは、新たなダブルスクールを生み、新たな攻略法がそこに生まれる。そうすると、大学なんかに行かずにそっち(予備校)を主眼にした方が確実に合格する可能性は上がる。そうすれば、教員養成系の大学の意味、もっと端的にいうと、うちの大学(東京学芸大学そのもの)が不必要になってしまうっていうことになる。そもそも大学とは、「学生が主体となって学ぶ場」であり、特にうちの大学でいえば「いかに子どもたちに学びを提供するか」「学びとはいかなるものか」ということを主眼にして、教師になるならない関係なく、全員が考えている。そうした「学び」の意義すらもこの国家試験化は見失わせることにつながりかねない。
 そして、国家試験化はとりもなおさず、国の介入を大きくする。ただでさえ、トップダウン方式で、現場の先生の意見が反映されず、悲鳴を挙げている。それとも教師というのは国に従順であるべきなのか?それでは戦時中の思想強要教育とある意味、変わらない。国家試験にするということは、日本の教育をよく言えば復古的に、悪く言えば退廃的にする制度以外に他ならない。



 いずれにしても、教育再生会議が打ち出していることは、その内容のほぼ全てが復古的な内容である。1割増なんて昔に戻そうとしているだけではないか。今、安倍総理がやっていることは、教育の進歩を意味しない。むしろ逆行を意味している。
 まあ、安倍総理は自分の政策アピールが「教育」だから、ここまで派手にやってるんだけどね。安倍総理は後世に教育改革で名を残そうとしている姿勢が見え見え。「まあ、いじめとか、そういう教育に関する問題がいろいろあるから、ここについて考えるか。で、せっかく教育についてやるんだし、後世に名を残すためについでにいろいろ変えちゃおうか」って教育再生会議を通じてやっているようにしか思えない。


 まあ、ここまで刺激的だと叩きがいがあるので、自分的には面白いんだけどね。いずれにしても、教育再生会議のことなんか当てにしちゃいかん。あれは右耳で聞いて、自分で意見を持って、左耳に流してしまうのがちょうどよい。あれを真に受けてはいかんぞ、っていうのが自分の感想です。


 内閣がこんなんだから、票を集められないで、無党派東国原知事が誕生するんだよ。こんなんだったら今年中に内閣が変わったりしてね。支持率も低下してるし。Xデーは参院選後か?


 ※多少行き過ぎた表現があることをあらかじめ断っておきます。