青い森のねぷたいブログ

青い森です。東京の某所で教職についています。教職に関することを主につぶやいていきます。

日曜日の研究会

 今年から、かつてのゼミ卒業生を中心に、夏休みに年1回の研究会(といっても、授業報告などの勉強会)を行うことにしました。
 まあ、言いだしっぺが僕だったから、今年は自分が運営をしていました。
 今年は、公務の忙しさにかまけて、家にいると大学時代みたいに何もしなかったこともあり、まったく宣伝を行えませんでした。
 しかしながら、発表者3名のほかに、先生、そして卒業生が3名の計7名の参加がありました。
 宣伝しなかったにもかかわらず、7名も集まっていただき、非常にうれしい限りであります。本当にありがとうございます、という感じでした。
 発案者ということもあり、今年は自分も発表をしました。以下、発表の概要と、それに関する批判について、自分が思ったことを書きます。


 自分の発表は、今年度1年生で行っている地理Aの授業の中から、「日本の気候とクールビズ」*1、「オレンジジュースと貿易との関係」*2の2本の授業を発表しました。
 個人的には、いずれもネタとしては「面白い」授業=まあ、何とか人に見せてもよい授業(社会科以外の先生なら「面白い」からとそこそこ評価される授業)、と思い、この2本の発表をしました。
 ただ、さすがに社会科を専門的にやっているギャラリーからの意見は本質を突く者でしたね。




 まず、題名が「社会認識形成をめざして」いるはずなのに、「クールビズ」のオチが「制服をちゃんと着る」とはいかがなものか、道徳っぽい授業ではないか(自分の授業らしくないともいわれましたが)、という批判がありました。


 また、代案としては例えば沖縄ではかりゆしの服装での定例会見があったり、アフリカの国々は国際会議でも民族衣装で出てくることから、この比較の中から、文化の構築性や多文化主義の発想を読み解くように授業を作り、「制服をちゃんと着る」は目標にすえるべきではないという意見でした。



 自分も授業をしていて、オチがかなり苦しかったので、この部分は参考にしていこうと思いました。



 また、「オレンジジュース」の授業では、「外国産=安い」という安易(常識的)な探求に陥っているので、子どもの知的好奇心がわかないのではないか、という批判がありました。



 その上で代案として、「昔は100%オレンジジュースの方が高級品だったのに、今では100円を切るぐらいの値段で売られているのはなぜか」と問いを変え、昔の100%オレンジジュースについての解説を加えていくか、「今ではスーパーでうんしゅうみかん100%ジュースが外国のものに近い値段で売られているのはなぜか」を読み解くことで、ブラジルではオレンジの耕地を、バイオエタノールの作るためのとうもろこし畑に変えていることを理解するような授業にすべきでは、という意見がでました。



 また、これはブラジルの広い土地、暖かい気候など、地理的な要素をその理由に含んでいないということから、「地理」ではないという批判もありました。地理はあくまで「地理」なのであって、「公民」ではない。この点についても大いに反省する部分でした。




 とりあえず自分のある種「よい」と思っていた授業を批判してもらい、その上代案まで示してもらえたので、この研究会で発表してよかったな、と思いました。こうやって社会科のレベルを少しずつあげていきたいと思いました。



 最後に少しだけ…



 参加者の日記の中に、「胡散臭さ」を感じた、ということがあったのですが、少なくとも自分は、学級担任も副担任でもない、ただのいち教科担当でしかないので、子どもの実態を把握することは極めて難しい状況にあります(まあ、努力しないお前が悪いと言われればそれまでですが)。


 そうであるならば、この1年間は、その「胡散臭さ」をフルに発揮して、不完全であっても社会科として、ネ申な授業を目指す1年にしたいと思っています。
 まあ、これについては最近、事務仕事も言われたことしかしない、他の先生とコミュニケーションを必要に応じてだけ、毎日机で社会科の本ばっかり読んでいる優等生でしかない自分がそこにいるなあ、と感じる日々であります。それも6月ぐらいに「もっとアピールしろよ」「もっと自分の売っていったがいい」と指摘されたまでであります。



 自分は典型的な優等生でしかありません。それがいいか悪いかは時と場合によるのでしょうが、それが自分のキャラクターだと思って、迷いを振り払って、9月以降の授業をしていこうと思います。 

*1:日本の夏の気候になぜ、ネクタイやスーツは適していないのか、を追究することで、温帯気候でも温暖湿潤気候と西岸海洋性気候と言う2つの気候の違いがあることを読み解かせる授業

*2:なぜポンジュースは、ブラジル産のオレンジを混ぜるようになったのか、を追究することで、オレンジの輸入自由化と、輸入自由化によるメリット・デメリットを読み解く授業