読んだ本紹介
![社会人大学人見知り学部 卒業見込 (ダ・ヴィンチブックス) 社会人大学人見知り学部 卒業見込 (ダ・ヴィンチブックス)](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51YqA-snjeL._SL160_.jpg)
- 作者: 若林正恭
- 出版社/メーカー: メディアファクトリー
- 発売日: 2013/05/17
- メディア: 単行本
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![誰も戦争を教えてくれなかった 誰も戦争を教えてくれなかった](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51NRSAdTRaL._SL160_.jpg)
- 作者: 古市憲寿
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2013/08/07
- メディア: 単行本
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ざっくりいうと、主に第二次世界大戦を世界各国や日本がどう表現しているかを、博物館というツールを使って説明し、そこから「戦争」というものを考えるって感じの本。
どうしても日本で、アジア・太平洋戦争のことを語ると、イデオロギーにがんじがらめになってあれこれと表現できなくなってしまうのだが、そこで博物館を見ながら、戦争のことを語るっていうのはさすが若手の社会学者、って感じ。歴史学者はこのアプローチが絶対にできない。
で、僕が感じたこの本の結論は、日本はすんげー平和だってことと、本のタイトルにあるように、戦争のことを誰も教えてくれない、っていうか、どう教えていいかが分かんない、っていう結論かな。
だから、いろいろと戦争の博物館をまわった結果、なんでアジア・太平洋戦争だけとりわけクローズアップして、あの戦争のことをいちいち考えなきゃいけないの、そんなのは強制的に教えるんじゃなく、自分で考えれば、っていう結論に達しているようにも見えた。
まあ、さすがは新進気鋭の社会学者。っていうか、僕と同じで客観論者。「アジア・太平洋戦争を考えること」や「博物館学」に関しては、かなりの斬新性とすばらしい着眼点を持っている。
持っているけど、社会学者によくありがちな現状分析にとどまっている。この人は、最初の若者論の著作でもそうだが、結論お任せ感が拭えないのは相変わらずだ*1。
なんていうか、古市さんお得意の、ニヒルに僕ってこんなこと考えてるんだよ、っていう本。学術的ではあるが、結果として随筆っていうか、紀行文っていうか。そうやって読みやすい本にしている*2。
そういえば、参院選があった時にTBSでやっていた番組でも、どこか他人事のように語ってたっけ。この人の得意技なんだと思う。
ちなみにこんなことを学術的にやったら確実にぶん殴られる文体と脚注の使い方は相変わらず。特に、煉瓦の記念館で煉瓦をお土産で売っている件で、脚注に「いらない」って(笑
まあ、この人はわざとやってるんだと思うけどね。この人の発想と、今の年齢だから(若手の論客、1980年代に生まれた人達の代弁者)市民権を得ているんだと思うけどね。
ちなみに僕はいい本だと思います。
ちなみに古市さんは1985年うまれなので、僕と同級生です。
ちなみに補論として古市さんがももクロに戦争のことを質問しています。ももクロにインタビューできる古市さんがうらやましい。あと、ももクロヲタならぜひ買ってほしい本です。