青い森のねぷたいブログ

青い森です。東京の某所で教職についています。教職に関することを主につぶやいていきます。

読んだ本紹介

 オードリーの若林の本。先週日曜日に新幹線で読了。M-1をとり、ポーンと社会に放り込まれた感じで、その社会というものに順応していく様子が、今の自分に重なってて共感。



誰も戦争を教えてくれなかった

誰も戦争を教えてくれなかった

 朝日新聞に載ってたので買った。3日間立川に通う南武線の車内で読了。
 ざっくりいうと、主に第二次世界大戦を世界各国や日本がどう表現しているかを、博物館というツールを使って説明し、そこから「戦争」というものを考えるって感じの本。
 どうしても日本で、アジア・太平洋戦争のことを語ると、イデオロギーにがんじがらめになってあれこれと表現できなくなってしまうのだが、そこで博物館を見ながら、戦争のことを語るっていうのはさすが若手の社会学者、って感じ。歴史学者はこのアプローチが絶対にできない。
 で、僕が感じたこの本の結論は、日本はすんげー平和だってことと、本のタイトルにあるように、戦争のことを誰も教えてくれない、っていうか、どう教えていいかが分かんない、っていう結論かな。
 だから、いろいろと戦争の博物館をまわった結果、なんでアジア・太平洋戦争だけとりわけクローズアップして、あの戦争のことをいちいち考えなきゃいけないの、そんなのは強制的に教えるんじゃなく、自分で考えれば、っていう結論に達しているようにも見えた。




 まあ、さすがは新進気鋭の社会学者。っていうか、僕と同じで客観論者。「アジア・太平洋戦争を考えること」や「博物館学」に関しては、かなりの斬新性とすばらしい着眼点を持っている。
 持っているけど、社会学者によくありがちな現状分析にとどまっている。この人は、最初の若者論の著作でもそうだが、結論お任せ感が拭えないのは相変わらずだ*1



 なんていうか、古市さんお得意の、ニヒルに僕ってこんなこと考えてるんだよ、っていう本。学術的ではあるが、結果として随筆っていうか、紀行文っていうか。そうやって読みやすい本にしている*2



 そういえば、参院選があった時にTBSでやっていた番組でも、どこか他人事のように語ってたっけ。この人の得意技なんだと思う。
 ちなみにこんなことを学術的にやったら確実にぶん殴られる文体と脚注の使い方は相変わらず。特に、煉瓦の記念館で煉瓦をお土産で売っている件で、脚注に「いらない」って(笑
 まあ、この人はわざとやってるんだと思うけどね。この人の発想と、今の年齢だから(若手の論客、1980年代に生まれた人達の代弁者)市民権を得ているんだと思うけどね。





 ちなみに僕はいい本だと思います。
 ちなみに古市さんは1985年うまれなので、僕と同級生です。
 ちなみに補論として古市さんがももクロに戦争のことを質問しています。ももクロにインタビューできる古市さんがうらやましい。あと、ももクロヲタならぜひ買ってほしい本です。

*1:ちなみに僕はこういう他人事スタイル、大好きであるし、自分もこんな感じでいたいと思っている

*2:だからすげーんろうね