本読みました
- 作者: 小林よしのり
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2013/09/26
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (16件) を見る
というわけで、小林よしりんのゴーマニズム(AKB編)を買って読みました。この方も昔は戦争論で、中々な論客で、自由主義史観をリードした方なのですが、今やAKB評論家としての地位をゲットしたおじさんになりましたね。そのことを本人も自嘲気味に語ってましたけど。
まあ、AKBにはまった理由と、AKBを擁護する考え方で満ちあふれていましたね。
でも、未来が見えない中で、ニヒリズムやシニシズムが蔓延する世の中にあって、「マジ」で「努力する」ことに価値を見出しているAKB48によしりんははまったわけですね。
そこは今自分がチキパにはまっているのと共通する部分がある。今はどうか分からないけど、少なくとも僕が去年の12月に、川崎のゲームセンターで見た彼女たちの衝撃から、今のチキパ推しになっているわけで、そこではひたすらに「マジ」で踊る彼女たちがあったから、自分はチキパに感染しているわけです。まあ、AKBと比較したら怒られそうだけどね。
思えばなぜ社会学者があれほどAKB48にはまるのか、なぜ博識のある学者が・・・と思うのだが、多分、今の日本はニヒリズムやシニシズムが蔓延している、さらに、ひとたびスキャンダラスなことが起こると、それをつるしあげる「祭り」が開かれる現在の世の中に対して、「マジ」で「ひたむき」に「努力」する、そういう正攻法が、現在の社会をラディカルにとらえ、現在の社会を変える方法だと彼らが「マジ」で考えているからだと思う。
う〜ん、でも、それは科学たりえないよね。それは社会科学じゃないよね。科学って客観的なデータを示し、ひたすらに「確かな真実」を追い求めていくことだけど、AKB48って現象は、やっぱり科学たりえないし、そこには「感情」が確実にこもっている。
まあ、ポストモダンとか構築主義とか、そういう考え方もあるから、僕の「科学」観が古いのかもしれないけど、でもやっぱり科学じゃないよ。彼らがいくら理論武装しても、結局そこには「推している」という感情が入り込んでいる限り、やっぱり科学じゃない。
AKBとかももクロとか、この手の類の論考を読むたびにいつもいつも思う疑問。だって、僕がcheeky paradeっていうアイドルにはまっているのは、彼女たちを「推している」から。それ以上でもそれ以下でもないんだよね。
だって、チキパのライブにいってコールをしたり、終わった後に握手会で会話を楽しんだり、そこには確かにお金でそれらを買い、消費しているっていう紛れもない事実があるけど、でも、楽しいからそれでいいじゃん。彼女たちを応援したいんだからそれでいいじゃん。
話が脱線したけど、僕はよしりんが馬鹿にしている対人スキルのないヲタだと思うよ。でも、こうやってアイドルを追いかける自分を常に客観的に見たい。そのためにはこういう本だって買って読むさ。この消費はどこまで続くんでしょうね・・・。