青い森のねぷたいブログ

青い森です。東京の某所で教職についています。教職に関することを主につぶやいていきます。

書評②

 

高校社会「歴史総合」の授業を創る

高校社会「歴史総合」の授業を創る

 

  

来たるべき歴史総合に向けて、どんな授業を創っていったらよいのか、これについてまとめてある一冊。個人的には、やはりまえがきにある、原田先生のこの言葉に尽きる。

 

「所詮、総合など無理なんだから、大学受験科目に合わせて日本近現代史と世界近現代史を分けて教えればいいんだよ」と。そして、歴史教育はいつか来た道を歩み出す。その先は、多分「破滅」以外にない。日本は、自由で開かれた社会のはずである。折角、個々の学校、教師に委ねられたカリキュラム・マネジメントの権限を、自ら放棄する手はない。

 

 

 そう。今回の学習指導要領は、まさに教科書は参考書であり、カリキュラムは教師が指導要領の範囲内で編成していいのである。だからこそ、自分はこの歴史総合、わくわくしているのである。

 

 本書は、これから始まる「歴史総合」の指導要領にのっとり、実際の教材と授業モデルが掲載されている。とはいえやはり、「指導要領をいかに授業化するか」に焦点がおかれるあまり、問いを作ることを目的化してしまっていたり、歴史家の作業を追体験するような授業があったりで、生徒の「レリバンス」や「学ぶ意味」を考える上では、手段の目的化になってしまっている授業もある。

 しかし、例えば「服装」「鉄道」などの具体的事例に基づく近代化や、そのものまさに「国民とは何か」を問うような授業など、指導要領のいう「歴史総合」が目指したい事例(ケーススタディ)が数多く載せられている。

 こうしたテーマ史・トピック史でよいのか、についても今後考えていかなくてはならないところではあるが、「歴史総合」が目指したいエッセンスは多く含まれている。

 内容ではなく、「見方・考え方」、この原点に立ち返って考えない限りにおいて、冒頭に述べた、元来た道になりかねない。自分自身もそうした視点で、歴史総合と向き合っていきたい。