読んでいる本
東大をはじめとする明治時代を専門とする先生方が、東大で講義した内容をまとめたもの。そのため、歴史学的な研究をふまえつつも、「今でいうと」のような形で書かれているので面白い。
例えば、教科書の歴史に触れていくと、「幕府が無能だったから滅亡した」と片づけられるのだが、現実はそうでもなくて・・・というお決まりの歴史学者の発想が。
実際のところは、島津久光らの文久の改革の頃に起きた出来事が大きく、この頃の改革が幕府にとって「痛みを伴う構造改革」だったと説明している。つまり、実務を重視したり、公議を重視したりすることにより、幕府の基盤であった御威光と将軍専制を幕府自ら否定することになった、という矛盾。この辺りが描かれています。
ここから「自民党をぶっつぶせ」「痛みを伴う構造改革」といったあの人の政策が今の自民党の在り方とどうつながっているのかを生徒に問いかけても面白いのではないでしょうか。
後は授業の問いとしては、「なぜ、士族反乱の多くが九州で起きたのか?東北地方も同じように家禄が減らされたにも関わらず、反乱が起きなかったのはなぜか?」なんかは調べるには面白そうだよね。この答えもこの本にあります。
また読んでないけど、個人的には「華族」の章が面白そう。