青い森のねぷたいブログ

青い森です。東京の某所で教職についています。教職に関することを主につぶやいていきます。

だらだらと書きます②

 もう一本
 4月から金曜のオールナイトニッポン0に、評論家の宇野常寛さんがパーソナリティになった。個人的には楽しみだから毎週聞こうと思う。
 で、これを聞いて思ったことが2つ。
 ひとつは、自分も含め、特に若い人の多くが「オタク」であり、この「オタク」と呼ばれる人間たちが、社会を創造しつつあるということである。宇野さんは、仮面ライダーにAKBがご専門だそうで、ここにかける金額とかはさぞやすごいものがあるだろう。そういえば、ラジオでAKBの握手会に行くって言ってた。
 ちなみに自分はアイドルヲタであり、今はスパガ(SUPER☆GiRLS)とチキパ(cheeky parade)にはまっている。
 で、そういう「オタク」市場が今は確実にもうかっている部分だといえる。
 そもそも「オタク」は、経済学的にいえば「デフレ」が生んだ産物であるから、まさに「デフレ世代」=「オタク世代」とでも言うべきか*1
 



 ただ、多分バブルぐらいで線が引かれると思うけど、30代ぐらいまでがデフレ世代で、40代ぐらいからはインフレ世代なんだよね。古市憲寿さんの分析じゃないけど、今の社会に不満を持っているのは40代以降だし、20代なんかは今の、この現実、この瞬間は満足だからそれでいいじゃん、って話になる。
 で、今社会を引っ張っていっている40代や50代ぐらいの人たちが、やっぱりまだ「オタク」っていうのを認めていないよね。デフレ初期世代が30代に突入しているから、少しずつ少しずつ広まってはいるし、宇野さん始め、若手の論客たちがいろんなテレビ番組に出てはいるけど、やっぱりまだ社会がそれを認めていない。
 アベノミクスの落とし穴はひょっとしたらここにあるかもしれないね*2





 2つめは、教育者としてみると、この手の人たちが出てきて、若者代表です、みたいなことをされると、とても教育しづらいってことかな。
 宇野さんも、将来のことを真剣に考えたほうがいいですか?という高1リスナーに対して、



 とりあえず今を一生懸命生きていくこと。それで何かが見つかった時に、将来を真剣に考えればいい。




 って言ってたかな。




 でもこれって、教育する人間にとっては、すげー面倒なんだよね。
 自分は今担任を持っていて、次は2年にあがるわけだけど、2年のうちから、出口(高校を卒業した先の進路)を意識づけたいと考えている。
 しかも自分が勤務している高校・学科の特性上、なるべく多くの生徒には就職して欲しいと考えている。
 でも、やりたくもない、行きたくもないところに無理やり就職させることが果たしてゴールとして正解なのかは、疑問に思う。
 でもでも、正社員として雇ってくれる環境にあるのなら、まずは就職するのがいいから、無理やりにでも就職させたい、という思いもある。
 ある会社の社長が言っていたけど、非正規雇用からスタートしたら、正社員になることは非常に難しいのが今の社会の現状だ。だから、なれる環境にあるのなら正社員から始めた方がいい、と。




 だから今が幸せならそれでいい、的な論調って、子どもの進路を考える上では、すんごいやりづらい論なんだよね。




 やっぱりさっきも書いたけど、「学校社会の常識≠現実社会の常識」なように、学校社会で教えているものが必ずしも社会とマッチするわけではないし、彼らにとっては、それは「ありきたり」だったり、「おしつけ」だったりになっちゃってるんだろうな、って思う。




 でも、




 それでも、




 それでも、自分は教師として、最低限、「きちんと未来と将来をみすえなさい」「今を生きていればそれでいいはやめなさい」って言いたい。それが例え「おしつけ」だったり、「理想論」であったとしてもね。





 社会科の先生として、こういう情報を集めていると、大学にいるうちはそれでよかったんだけど、いざ、学校現場に入り、しかも担任をもつと、それだけじゃいけないっていうことになる。
 でも、常識的なことしか言わない自分、っていうのも何か面白くねーな、っていう自分もいて。。。。



 
 そこのギャップに時々ぶつかるんだよね。




 でも、まだまだ生産の中心にある40代〜50代の人たちが、終身雇用の時代やインフレの頃の時代を知っているからこそ、まだまだ社会では通用する論だと思うし、今の30代や自分たちの世代がそういう年代にさしかかったときでも、「将来は常にみすえなさい」と言わないといけないんだよね。
 ま、自分がそれを言ったところで、聞いてくれなきゃそれまでだけどね。自分は聞かないやつは、言い続けるけど、どこかで冷めて、ま、好きにやったら、って人間だから。非正規雇用に甘んじたら、ってなるけどね。




 いずれにしてもいいラジオ番組が始まったので、録音して聞こうと思います。投稿は・・・しないと思います。

*1:詳しくは『AKB48の経済学』っていう本があるから、それを読むと非常によく理解できる。自分なりにざっくりいうと、あらゆるものが供給過剰となり、デザインなど、そのものを買うのではなく、ものの「質」を消費者が選んで買う時代になった、ってことかな。で、そもそも供給過剰な状態=デフレだし、この不景気のなかで、オタクたちは、何にお金をつぎ込むかを真剣に選んでいる。で、売り手はそうしたオタクたちのニーズを把握する必要があるってことよね。

*2:アベノミクスは、基本的にはインフレ路線をとる。ただし、インフレとともに、国民の給料もあがっていかないと真の意味での経済回復にはならない。でも、国民の給料が上がったところで、果たして市場にお金が潤沢に出回るかは微妙である。コミケとか、アイドル市場とか、そういうヲタ的なところには出回るかもしれんけど。