青い森のねぷたいブログ

青い森です。東京の某所で教職についています。教職に関することを主につぶやいていきます。

社会科教育ゼミ②

 研究発表は3本。
 まずは岡山大学の院生の「開かれた社会観形成を目指した社会問題学習の構成原理」です。
 難しそうなタイトルですが、めちゃくちゃざっくり説明すると、様々に起きている社会問題を、「問題だ」ととらえるかどうかを学習者に委ねよう、という授業をすることが大切で、それをするためにはどうしたらいいのか、その原理を論じているものです。
 事例として、「少子化」がとりあげられており、「少子化」は、社会全体の立場(例えば年金などの社会保障)からみれば、税金を納めてくれる人が少なくなるわけですから問題ですが、一方で個人の利益の立場から見れば、社会保障もちゃんと受けられるわけじゃないんだし、そもそも人口減社会を前提とした社会づくりをすればいいだけの話だから問題じゃない。少子化を盾に税金が欲しいだけだろ!そんなの問題じゃないよ、と主張することも可能です。
 結局、それが問題であるか否かは、学習者個人によて違うわけだから、そうしたところも含めて授業しましょう、ってわけです。




 授業や中身自体は、なるほど、これは面白い、と思ったのですが、類型の部分に課題はあるかな、と思いました。普通、類型は自分の立場を明確にするために行うものなのですが、この発表ではどこにも位置づいていなかった。むしろどの類型も批判している状態でした。
 で、仮に自分をその類型に位置づけたとしても、今度は似た研究を先に行っている研究者もいて、その人との差異を表現することが必要だということですね。それは先生が指摘していました。
 ただ、こういうのを実在論唯名論といいますけど、この手の問題って難しい。でも、問題を問題として捉えること自体をオープンにしていこう、っていう発想は十分オリジナリティがあって、すげーな、と思いました。





 個人的には今の勤務先柄、「フリーター」という題材で同じようにできないかな、と思っています。何かいい本ないですかね。